
はじめに
営業の本やWebサイトを読んでいると、ごく当たり前のように登場する言葉があります。
「BtoB営業」「BtoCビジネス」
初めて見ると、
「Bは分かるとして、このCは何なんだ?」
と思いますよね(笑)
意味を知ってしまえば、実はとても簡単です。
BtoBは、会社から会社へ商品やサービスを提供するビジネス。
BtoCは、会社から個人へ商品やサービスを提供するビジネス。
まずは、この違いだけ分かれば大丈夫です。
ただ、営業という視点で見ると、相手が「会社」なのか「個人」なのかによって、売れるまでの流れには違いが出てきます。
会社の場合、一人が「欲しい!」と思っただけでは購入できないこともあります。
- 担当者が調べる。
- 上司へ相談する。
- 他の商品と比較する。
- 予算を確認する。
- ようやく契約する。
そんな流れになることも珍しくありません。
今回は、BtoB営業とは何なのかを、BtoCとの違いから実際の営業の進み方まで順番に見ていきます。

第1章:BtoBとは「会社と会社の取引」
まず、BtoBという言葉を分解してみましょう。
BtoBは、
Business to Business
の略です。
Businessは「企業」や「会社」と考えると分かりやすいでしょう。
つまり、企業が別の企業へ商品やサービスを提供する取引がBtoBです。
例えば・・・
- 会社で使うオフィス用品を販売する。
- 企業向けの会計ソフトを提供する。
- 工場で使う機械を販売する。
- 企業のホームページを制作する。
- 企業向けにコンサルティングを行う。
こうしたものはBtoBに当たります。
では、BtoCは何でしょうか。
こちらは、
Business to Consumer
の略です。
Consumerは「消費者」。
つまり、企業が一般の個人へ商品やサービスを提供するビジネスです。
- スーパーで食材を買う。
- 洋服を買う。
- 美容院へ行く。
- 映画館で映画を見る。
- ネットショップで家電を注文する。
私たちが普段の生活で利用しているこうしたサービスの多くは、BtoCです。
💡ポイントは、「どんな商品なのか」だけでBtoBとBtoCが決まるわけではないことです。
例えばパソコンなら、家電量販店が一般の人へ1台販売すればBtoCです。
一方、会社が社員用として100台まとめて購入する取引ならBtoBになります。
ですからBtoBとBtoCを見分けるときは、
「何を売っているの?」ではなく、「誰が誰に売っているの?」
と考えてみると理解しやすくなります。
第2章:会社に売ると、なぜ営業の仕方が変わるのか

BtoBとBtoCの違いは、売る相手です。
ところが、この違いが購入までの流れにも影響します。
例えば休日に買い物へ行き、5,000円の靴を見つけたとします。
デザインが好き。サイズもちょうどいい。予算にも収まる。
それなら、「これにしよう。」と自分で決められます。
自分のお金で、自分が履く靴だからです。
では、会社で500万円のシステムを導入する場合はどうでしょう。
担当者が、「これ、なんとなく気に入ったので買っておきました!」
では済まないですよね(笑)
- 本当に会社に必要なのか。
- 費用に見合う効果があるのか。
- 他社の商品と比べてどうなのか。
- 予算は確保できるのか。
こうしたことを確認しながら、上司や経営者など複数の人が判断に関わる場合があります。
そのためBtoB営業では、いくつか特徴が出てきます。
・購入に関わる人が複数になることがある
商品を探す担当者と、実際に使う人、予算を管理する人、最終的に購入を認める人が別々というケースがあります。
・購入を決めるまでに時間がかかることがある
高額な商品や会社全体で利用するサービスなどでは、比較や社内での検討に時間が必要になります。
・会社にとってのメリットが求められる
売上につながる、コストを減らせる、作業時間を短縮できるなど、「なぜ会社として導入するのか」という理由が重要になります。
・契約後も取引が続くことがある
毎月利用するサービスや定期的に購入する商品であれば、一度契約した企業と何年も付き合うケースがあります。
もちろん、これは絶対ではありません。
BtoBでも数千円程度の備品なら、担当者がすぐ注文することもあります。
反対にBtoCでも、住宅や自動車のように長い時間をかけて検討する商品があります。
それでもBtoB営業の基本を理解するときには、
「商品を検討する人と、最終的に購入を決める人が同じとは限らない」
と覚えておくと、その後の営業活動を理解しやすくなります。
第3章:BtoB営業はどうやって契約まで進む?

ここからは、実際の営業を見ていきましょう。
BtoB営業といっても会社によって方法は違いますが、新しいお客様を開拓する場合は、大きく次のような流れで進みます。
①営業先を探す
最初にするのは、「売ること」ではありません。自社の商品やサービスを必要としてくれそうな会社を探します。
そこで使われるのが営業リストです。
- 会社名
- 業種
- 所在地
- 電話番号
- Webサイト
こうした企業情報を集めて、どの会社へ営業するのかを決めます。
例えば建設会社向けの商品なら、まったく関係のない会社へ片っ端から連絡するより、建設業の会社を探したほうが効率的です。
この「誰に営業するかを決めること」が、ターゲット選びです。
②会社へ連絡する
営業先を決めたら、実際に接点を作ります。
- 電話
- メール
- 問い合わせフォーム
- 紹介
- SNS
- 展示会
方法はいろいろあります。
また、自社のWebサイトや広告を見た企業から問い合わせてもらうケースもあります。
この段階では、いきなり契約を取ろうとする必要はありません。
まずは、「こういう商品やサービスがあります」と知ってもらうことが最初の一歩です。
③困っていることを聞く
興味を持ってもらえたら、商談などで相手の状況を聞きます。
今、何に困っているのか。
どんな方法を使っているのか。
何を改善したいのか。
こうしたことを確認します。
営業というと、「上手に商品の説明をする人」を想像するかもしれません。
でも、相手が何に困っているのか分からなければ、適切な提案もできません。そのためBtoB営業では、説明する力だけではなく、相手の話を聞くことも重要です。
④解決方法を提案する
相手の課題が分かったら、自社の商品やサービスでどう解決できるのかを伝えます。ここでは機能の説明だけで終わらせないことがポイントです。
例えば、「このシステムには自動入力機能があります。」だけでなく、
「この機能を使えば、これまで毎日1時間かかっていた入力作業を減らせます。」と説明する。
相手が知りたいのは、機能そのものだけではありません。
「導入すると、自分たちの会社がどう良くなるのか」という部分です。
⑤見積もりを出し、検討してもらう
商品やサービスに興味を持ってもらえたら、条件や価格を提示します。
ただし、BtoBではここから検討期間に入ることもあります。
- 他社の商品と比較する
- 社内で話し合う
- 上司の承認を得る
- 予算を確認する
こうした手続きを経て、購入するかどうかが決まります。
⑥契約して、利用が始まる
条件に納得してもらえれば契約です。
商品を納品したり、サービスを使い始めてもらったりします。
ただ、BtoB営業では契約したらすべて終了、とは限りません。
- 導入後のサポート
- 契約の更新
- 追加サービスの提案
- 別の商品についての相談
長く付き合うほど、次の仕事へつながることもあります。
💡BtoB営業の基本的な流れを並べると、
営業先を探す
↓
連絡する
↓
困っていることを聞く
↓
解決方法を提案する
↓
検討してもらう
↓
契約する
↓
その後も関係を続ける
となります。
最初は細かな営業用語を覚えるより、この一連の流れをイメージできれば十分です。
第4章:BtoB営業では「信頼」も商品選びの材料になる

営業の目的は、もちろん売上を作ることです。
ですがBtoBの場合、「商品が良ければそれだけで売れる」とも限りません。会社として商品やサービスを購入する担当者には、その選択に責任があります。
💡そこで考えてみましょう。
商品は良さそう。価格にも納得している。
ところが、営業担当者へ質問しても返事が遅い。
前回と今回で説明が違う。契約した後の対応もよく分からない。
そうなると、「本当にこの会社と契約して大丈夫かな……。」と不安になりますよね。だからBtoB営業では、「この会社なら安心して取引できる」と思ってもらうことも大切になります。
・伝えた約束を守る
「明日までに資料を送ります」と伝えたなら、きちんと送る。こうした小さな行動が少しずつ信用につながります。
・分からないことを曖昧に答えない
その場で分からなければ、「確認してからご連絡します」で構いません。無理に答えるよりも、正しい情報を伝えることが大切です。
・相手に合わない商品を無理にすすめない
自社の商品では相手の課題を解決できない場合、それを正直に伝えることも営業の一つです。一度の売上だけではなく、その後の関係も考えます。
・契約した後も対応する
実際に使って困っていることはないか、期待した効果が出ているかなどを確認します。そこから新しい相談や紹介につながることもあります。
BtoB営業は、単に商品を売って終わる仕事ではありません。
会社と会社の関係を作っていく仕事でもあります。
信頼が積み重なれば、新しい商品を購入してもらったり、別の部署や別の会社を紹介してもらったりする可能性もあります。
だからこそ、目の前の商談一件だけではなく、その後まで考えて営業することが大切なのです。
まとめ
いかがでしたか?
BtoBというアルファベットだけを見ると難しそうですが、基本はシンプルです。

BtoBは、企業から企業へのビジネス。
BtoCは、企業から個人へのビジネス。
まずはここを押さえておけば大丈夫です。
BtoB営業には、
・購入に複数の人が関わる場合がある
・購入までの検討期間が長くなる場合がある
・会社にとってどんなメリットがあるのかが重要になる
・契約後も取引が長く続く場合がある
といった特徴があります。
そして実際の営業は、
- 営業先を探す。
- 連絡する。
- 相手の困りごとを聞く。
- 解決方法を提案する。
- 検討してもらう。
- 契約する。
- その後も関係を続ける。
という流れで考えると分かりやすくなります。
「営業」と聞くと、話の上手な人が商品を一生懸命売り込む姿を想像するかもしれません。でもBtoB営業の基本は、それだけではありません。
自社の商品を必要としそうな会社を探し、相手の状況を知り、役立つ方法を提案しながら信頼を積み重ねていく。
これが基本です。
BtoB、BtoC、CTA、CRM、リード……。
営業やマーケティングを勉強し始めると、次々と新しい言葉が出てきます。
全部まとめて覚えようとすると大変ですが、一つずつ意味を知れば、それほど難しいものではありません。
まず今回は、
「BtoB=会社から会社へ」
ここを覚えるところから始めてみましょう。
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