はじめに
「清掃は、すでに別の会社へお願いしています」
法人清掃の営業で、こう言われて会話が終わってしまうことはありませんか?
例えば、床の定期清掃を提案したくても、相手には日常清掃の切り替え営業だと受け取られる。施設へ電話しても、共用部の清掃は管理会社の担当で、相談先が違っていた。見積もりの話になってから、希望の作業時間に人員を組めないと分かる。
こうした行き違いを減らすには、施設名と電話番号を集めるだけでは足りません。
どの地域で、どんな清掃を、誰に提案するか。 この条件をそろえると、営業先の探し方も変わります。
この記事では、法人清掃会社が自社に合う施設・事業所を見つけ、相談や現地確認へつなげる方法を紹介します。

営業先を増やす前に、受けられる仕事を整理する
「清掃の仕事なら幅広く受けたい」と考えていても、現場によって必要な人員や機材、作業時間は異なります。
まずは、次の条件を社内で整理しましょう。
- 対応地域: 移動時間を含めて、継続的に通える範囲
- 清掃内容: 日常清掃、床清掃、ガラス清掃、エアコン洗浄など
- 作業時間: 早朝・日中・夜間のうち対応できる時間帯
- 受注体制: 必要な人数、機材、経験を確保できるか
- 得意な施設: 自社に作業経験がある施設や事業所
例えば、既存の現場がある地域で仕事を増やす場合も、近ければ必ず組み込めるわけではありません。作業時間が重なれば、別の体制が必要です。
住所だけでなく、清掃内容と時間帯まで含めて営業対象を決めることが、受注後の無理を防ぐ第一歩になります。
法人清掃の営業先を探す5つの切り口
1. 既存の対応地域に近い施設を探す
最初は、自社の拠点や既存現場から無理なく移動できる地域を選びます。
市区町村や駅周辺などの単位で候補を集め、地図で位置関係を確認しましょう。
例えば、午前の現場と午後の現場の間にある施設なら、作業条件によっては移動計画を考えやすくなります。ただし、実際に組み込めるかは、希望時間や作業量を確認してから判断します。
候補を探す段階では、まず「継続して対応できる地域か」を確かめます。

2. 自社に経験がある種類の施設を探す
クリニック、ジム、宿泊施設など、自社の経験を説明できる分野から探す方法です。
例えば、ジムの清掃経験があるなら、更衣室や水回りなど、対応してきた箇所を具体的に伝えられます。宿泊施設なら、客室と共用部のどちらを扱ってきたかも整理したいところです。
施設の種類が同じでも、作業範囲や求められる管理方法まで同じとは限りません。
自社の経験を入り口にしつつ、対象箇所や施設側のルールを確認しましょう。専門的な対応が必要な作業は、自社で実施できるかを個別に判断します。
3. 清掃スタッフを募集している事業所を探す
求人情報を起点に、清掃業務を行っている事業所を探す方法です。
ただし、募集している理由は求人だけでは分かりません。欠員補充、増員、新しい施設の準備なども考えられます。
また、求人を出しているのが施設自身なのか、清掃を請け負う会社なのかも確認が必要です。「求人がある=外部委託したい」ではありません。 募集内容を、現在の清掃体制について相談するきっかけとして使います。
4. 開業・移転・改装のお知らせから探す
施設や運営会社の公式なお知らせを確認し、新しい拠点を営業候補にする方法です。
開業前だからといって、清掃会社が決まっていないとは限りません。すでに契約済みという場合も考えられます。
情報の掲載日、開業・移転の予定日、相談窓口を記録し、現在の準備状況を確認しましょう。
開業後であれば、日常清掃の体制とは別に、床などの定期清掃について相談できるかを聞く方法もあります。自社の対応範囲に合う用件を伝えることが前提です。
5. 複数施設を運営する法人から探す
複数のジムや宿泊施設などを運営する法人を、営業先として整理する方法です。このときは、施設名と運営法人名を別々に記録します。同じ名称の施設でも、運営や契約の窓口が同じとは限りません。
まず一施設の相談から始める場合も、本部での相談が必要なのか、施設ごとに確認できるのかを聞いておきましょう。
施設を見つける作業と、清掃契約を相談する相手を確認する作業を分けると、同じ窓口への重複連絡を避けやすくなります。
探す・転記する作業を減らし、現場を確認する時間を残す
施設を検索し、住所をコピーし、公式サイトで電話番号を確認する。別のサイトでは、同じ施設が少し違う名前で掲載されている。

こうした作業を繰り返すと、提案の準備や、相談を受けた後の現地確認に使う時間が減ってしまいます。清掃の見積もりを考えたいのに、画面上の整理だけで一日が終わるのは避けたいですね。
営業先探しは、次の順番に分けて進めます。
- 地域と施設の種類を決める
- 公開情報から候補を集める
- 重複や対象外の施設を整理する
- 相談窓口を確認する
- 関心があれば、作業条件の確認へ進む
候補収集を効率化する選択肢の一つが、Listoru(リストル)です。

法人清掃会社向けLPでは、EPARKクリニック・病院、FitMap、楽天トラベル、タウンワークが収集先として紹介されています。公開情報を収集し、CSVで出力できます。取得項目や条件はサイトによって異なります。
転記の工程を減らし、対象箇所の確認や、施設に合わせた作業提案へ時間を回す使い方です。
清掃サービスに合わせた3つのリスト活用例
以下は、施設情報を起点にした活用例です。掲載されているだけで、清掃委託の意向が分かるわけではありません。
1. クリニック向け:対応できる清掃箇所を具体的に伝える
EPARKクリニック・病院から、対応地域のクリニックを候補として探します。
取得後は公式サイトなどを確認し、自社が対応できる待合室や床などの清掃について、相談できるかを問い合わせます。
「院内を全部清掃できます」と広く伝えるより、経験のある作業を具体的に伝えましょう。診療時間との関係や、立ち入り・作業に関するルールは個別に確認します。
2. ジム向け:日常清掃と、定期的な作業を分けて相談する
FitMapから、対応する地域のジムを候補として整理します。
例えば、日常の清掃は自社で行っていても、床や水回りの一部について別の相談ができるかもしれません。まずは、施設が現在どのような体制で清掃しているかを聞きます。設備の有無や材質、利用時間は施設ごとに確認し、対応できる作業に絞って提案します。

3. 宿泊施設向け:客室と共用部を分けて話を始める
楽天トラベルから、対応地域の宿泊施設を候補として探します。
客室清掃を扱うのか、ロビーや廊下などの共用部を扱うのかで、必要な体制や確認事項は変わります。
例えば、床の定期清掃が得意なら、その用件を最初に伝えます。「客室清掃の一括受託の営業だと思われ、話が終わる」という行き違いを減らすためです。
「清掃会社が入っています」と言われたら、何を確認するか
既存の委託先があると分かっても、それだけで提案できる範囲までは分かりません。
例えば、日常清掃は委託済みでも、定期的な床清掃は別契約という場合を想定できます。自社の用件が異なるなら、短く伝えたうえで、相談可能かを確認します。
「承知しました。弊社は床の定期清掃を行っております。そちらも現在の委託先で対応されていますか。ご案内が可能でしたら、相談窓口を教えていただけますでしょうか。」
不要と案内された場合は、無理に話を続けません。
また、入居する事業所と建物の管理会社では、担当する範囲が違う可能性があります。専有部分と共用部分のどちらの話かを明確にし、契約を相談する窓口を確認しましょう。
見積もりの前に、現地確認で確かめたいこと
関心を持ってもらえたら、施設名や住所だけで金額を決めず、作業条件を確認します。
- 清掃する箇所と、対象外の箇所
- 面積、床材、汚れの状態など
- 希望する作業内容と頻度
- 作業できる曜日・時間帯
- 搬入経路、駐車、機材の持ち込み条件
- 水や電源の利用条件
- 施設側が求める仕上がりと確認方法
例えば、同じ床清掃でも、家具の移動が必要か、利用者のいない時間に作業できるかで、準備は変わります。

最初のリストにすべてを埋める必要はありません。候補収集の段階では施設情報、相談後は作業条件と、分かった情報を追加していきましょう。
現場写真を撮影する場合も、施設側の了承を得て、利用者や機密情報が写らないようにします。
リストルで分からないことと、利用前の注意点
リストルでは、現在の清掃委託状況や、企業の課題・ニーズは判定できません。掲載情報の全件取得や、営業成果も保証されていません。
そのため、次の内容は営業先への確認が必要です。
- 外部委託を検討しているか
- 既存契約の範囲や見直し予定
- 清掃を契約する担当部署
- 予算や作業条件
委託意向が確認済みの企業だけを受け取りたい場合は、候補収集だけでは目的を満たせません。
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法人清掃の新規営業でよくある質問

Q1: 清掃スタッフを募集している施設は、外部委託の営業先になりますか?
候補にはできますが、委託の意向は求人だけでは分かりません。
募集している事業者と実際の施設の関係を確認し、清掃体制について相談できるかを問い合わせましょう。
Q2: すでに清掃会社が入っている施設は、リストから外すべきですか?
自社の提案内容と、現在の契約範囲によって判断します。
日常清掃と床などの定期清掃を分けて確認する方法があります。ただし、案内不要と伝えられた場合は、その結果を記録して対応します。
Q3: 施設と管理会社のどちらへ営業すればよいですか?
清掃する範囲と、契約を担当する相手を確認します。
施設内の専有部分と建物の共用部分で窓口が異なる可能性があるため、施設名だけで判断しないようにしましょう。
Q4: リストがあれば、そのまま見積もりを出せますか?
施設の所在地や種類だけでは、必要な作業量や条件を判断できません。
対象箇所、材質、作業時間、搬入条件などを確認したうえで、自社の見積もり手順に沿って対応してください。

まずは、対応できる地域と清掃内容を一つ決める
「近隣のジムへ床の定期清掃を提案する」のように、地域・施設・作業内容を具体的にしてみてください。
候補を集め、相談先を確認し、関心があれば現地確認へ進む。この順番なら、調べ物だけで終わらず、実際の提案へつなげられます。
まずは、自社で無理なく対応できる施設を探せるか、確かめてみましょう。
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