はじめに
「レジはもう入っています」
POSの営業で、こう返されて話が終わってしまうことはありませんか?
例えば、飲食店へ連絡しても、現在の会計や注文の流れまでは聞けない。美容サロンに興味を持ってもらえても、必要な予約システムとの連携に自社製品が対応していない。店舗で話が進みかけたところで、「契約は本部です」と案内される。
こうした行き違いは、電話件数を増やすだけでは解消しにくいものです。
POS営業では、店舗を見つけることに加えて、自社製品がどんな業務に対応し、誰へ相談すべきかを整理することが欠かせません。
この記事では、業種・地域・運営会社から営業候補を集め、提案に使える店舗リストへ整える方法を紹介します。

「POSを使っていない店」だけを探そうとしない
POSの営業先を考えるとき、「まだ導入していない店舗を探したい」と考えるかもしれません。
ただ、店舗の公開ページを見ても、利用中のレジや契約状況まで分かるとは限りません。また、すでにレジがある店舗でも、どの業務まで対応しているかは別の話です。例えば、次のような点は、店舗に確認して初めて分かります。
- 会計と売上の集計をどう行っているか
- 商品やメニューの登録を誰が担当しているか
- 予約・注文・在庫などをどう管理しているか
- 複数店舗の情報をどう確認しているか
最初から導入状況を推測するより、自社が対応できる業種の候補を集め、現在の運用を聞く方が、調査と営業の役割を整理できます。
なお、POSとは、販売時点の情報を記録・管理する仕組みのことです。提案できる機能や連携範囲は、自社製品の仕様に合わせて確認してください。

営業候補を探す5つの切り口
1. 自社POSが対応する業種から探す
まずは、飲食・美容・小売など、自社製品が得意とする業種を決めます。
例えば、飲食店なら注文から会計まで、美容サロンなら施術メニューや予約との関係、小売店なら商品登録や在庫との関係を考えます。
これらすべてに対応する必要はありません。自社で支援できる業務と、対応できない業務を先に分けることがポイントです。
「店舗ならどこでも」ではなく、「この業務について相談できる店舗」を探しましょう。
2. 設置・サポートできる地域から探す
訪問での説明や設置支援が必要なら、対応地域を明確にします。
オンラインで商談ができても、機器の設置や操作説明、導入後の対応まで同じ条件とは限りません。
リストを集める前に、次の点を社内でそろえておきましょう。
- 訪問できる地域
- 設置や初期設定の対応範囲
- 遠隔で対応できる内容
- 地域によって変わる費用や条件
候補を集めた後に対応範囲外と分かると、店舗側にも余計な確認をお願いすることになります。
3. 新規開店のお知らせから探す
店舗や運営会社の公式なお知らせを確認し、開店に向けた相談ができるかを探る方法です。
ただし、開店予定が公開された時点で、レジの選定が終わっている可能性もあります。「新店だからPOSが必要」と決めつけず、選定状況や相談窓口を確認しましょう。開店後であれば、追加店舗の予定や、運用を始めて気づいた点を聞くきっかけも考えられます。
お知らせの掲載日と開店予定日を分けて残しておくと、情報の取り違えを防げます。
4. 複数店舗を運営する会社から探す
店舗間の売上確認や設定の共通化など、自社POSが多店舗運営に対応するなら、運営会社を単位に探す方法があります。
その際は、店舗名と会社名を分けて整理します。同じブランド名でも、運営法人が異なる場合を想定して確認してください。
逆に、一つの会社が異なる店名で複数の業態を運営していることも考えられます。
看板の名前だけでまとめず、実際の運営会社と相談窓口を確認することが、重複連絡を避ける助けになります。
5. 自社の導入事例と共通点がある店舗から探す
自社に導入事例があるなら、どのような店舗で、何に役立ったのかを整理してみましょう。
例えば、同じ「飲食店」でも、カウンター中心の店と、テーブル席で接客する店では、確認したい運用が異なります。
業種やメニュー、サービスの提供方法など、公開情報で確認できる共通点を探します。
ただし、似た店舗だから同じ課題があるとは限りません。導入事例は、相手の状況を決めつける材料ではなく、何を質問するかを考える材料として使います。
店舗探しと、導入状況の確認を分ける
営業候補を探す段階で、レジの機種、契約、入れ替え予定まで調べ切ろうとすると、作業が止まってしまいます。
店舗情報を集め、公式サイトを確認し、別の情報源でも同じ店を探す。これでは、デモの準備や見積もり後のフォローに使う時間が減ってしまいます。
リスト作成は、次の順番に分けると進めやすくなります。
- 対応業種と地域を決める
- 店舗候補を集める
- 重複や対象外の店舗を整理する
- 運営会社と相談先を確認する
- 連絡後に現在の運用や検討状況を記録する
候補収集を効率化する選択肢の一つが、Listoru(リストル)です。
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POS会社向けLPでは、tabelog(食べログ)、PayPayグルメ、EPARKリラク&エステ、グーグルマップが収集先として紹介されています。公開情報を集めてCSVで出力でき、取得項目や条件は収集先によって異なります。
情報を一件ずつ転記する工程を減らし、業種に合う説明やデモの準備へ時間を回す使い方です。
業種に合わせた3つのリスト活用例
以下は、候補を収集した後に、自社で確認を加える活用例です。

1. 飲食店向け:注文から会計までの流れを聞く
tabelogやPayPayグルメの掲載情報から、対応地域の飲食店を候補として集めます。
取得後は、ジャンルや公開メニュー、営業形態を確認します。そのうえで、自社POSに関係する運用を聞きます。
例えば、注文との連携に対応する製品なら、「現在は注文内容をどのように会計へ反映していますか」といった質問です。
掲載サイトだけで、利用中の注文・会計システムまで分かったとは扱わないようにしましょう。
2. 美容・リラク店舗向け:予約と会計の関係を確認する
EPARKリラク&エステから、対応分野の店舗を候補として探す方法です。
自社POSが予約や顧客情報との連携に対応するなら、現在の予約受付から施術、会計までをどう進めているか確認します。
例えば、店舗側から「予約は別の仕組みで管理しています」と聞けたら、必要な連携先や、変えたくない運用を聞く段階へ進めます。
掲載されていること自体は、予約管理を変更したいという意思表示ではありません。
3. 小売・サービス店向け:商品や店舗の管理方法を聞く
グーグルマップから、対応地域の小売店やサービス店を候補として集めます。公式サイトなどで取扱商品や店舗展開を確認し、自社POSの対応範囲と照らし合わせます。
商品別の管理や複数店舗での利用を提案する場合も、必要な機能は店舗に聞いて確認します。店頭の様子だけで、現在の管理方法を決めつけないようにしましょう。
初回の連絡は「レジの紹介」から一歩具体的に
例えば、美容サロンへ「新しいPOSをご案内しています」と伝え、「もう使っています」と返されたとします。
ここで機能説明を重ねる前に、相談したい業務を短く伝える方法があります。
「予約から会計までの情報管理についてご案内しています。システムの見直しをご相談する場合、店舗と運営会社のどちらが窓口になりますか?」

もちろん、自社製品が対応する内容に合わせた説明が前提です。
話を聞いてもらえる場合も、質問を一度に並べる必要はありません。まずは次の点から確認します。
- 相談すべき担当者・部署
- 現在の運用で見直しを考えている点
- 導入や変更を検討する時期
- 次に説明する機会を設けられるか
「困っていることは何ですか」と広く聞くより、自社が扱う業務に絞ると、相手も答えやすくなります。
ヒアリングで分かったことを、リストへ戻す
最初に集めた店舗情報と、連絡して分かった内容は分けて記録しましょう。
- 店舗情報: 店名、住所、業種、公式URL、情報の確認日
- 運営情報: 運営会社、店舗と本部の関係
- 確認結果: 現在の運用、相談窓口、検討状況
- 次の行動: 資料送付、デモ、再連絡の予定
分からない項目は「未確認」のままで構いません。
例えば、「現在のPOSに問題はないが、次の出店時に検討する」と聞けたら、その内容を残します。「興味なし」の一言だけでは、後から連絡する理由が分からなくなるためです。
候補を集め直すだけでなく、聞けた情報を次の提案に使える形にしていきましょう。

リストルで確認できないことと、利用前の注意点
リストルでは、利用中のレジの導入状況や、店舗の課題・購入意向は判定できません。すべての掲載店舗を取得できるわけでもありません。導入時期や契約条件などは、営業先への確認が必要です。
そのため、「入れ替え予定がある店だけ」「特定メーカーのレジを使う店だけ」を、今回紹介した収集方法で判別する使い方には向きません。
無料お試し版は約40サイト対応・最大3,000件のCSV出力が可能で、クレジットカード不要、自動課金なしです。有料版はプランにより利用できるサイト数が異なります。企業データベースは本体とは別料金の有料オプションです。紹介した収集先すべてが無料対象とは限らないため、必要なサイトの利用条件を確認してください。
POS営業の店舗リスト作成でよくある質問

Q1: 今使っているPOSやレジのメーカーは分かりますか?
リストルで導入状況を判定することはできません。店舗へのヒアリングなどで確認してください。見た目や店舗のジャンルだけで、利用製品を推測して登録しないようにしましょう。
Q2: キャッシュレス決済に対応する店も、POSの営業候補になりますか?
自社POSの対応業種や機能が合うなら、候補として検討できます。ただし、決済への対応状況と、POSの利用状況や変更意向は別の情報です。現在の運用を確認する必要があります。
Q3: 複数店舗がある場合、各店舗と本部のどちらへ連絡すべきですか?
公式サイトの案内を確認し、自社製品の導入について相談する窓口を確認します。店舗での使い方を確認する人と、契約を判断する人が異なる場合もあるため、リストには分けて記録しましょう。
Q4: 新規開店の情報があれば、レジの提案は間に合いますか?
開店情報だけでは、選定の進み具合は分かりません。すでに導入先が決まっている可能性もあります。開店予定と情報の掲載日を確認し、現在の検討状況を問い合わせましょう。
まずは、自社POSが得意な一業種から

最初は「訪問できる地域の飲食店」のように、業種と地域を一つ決めてみてください。
候補を集め、相談先を確認し、現在の運用を聞く。その順番なら、公開情報からは分からないことを無理に推測せず、営業を進められます。
まずは、自社が提案したい店舗を探せるか、収集できる情報を確かめてみましょう。
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