
はじめに
営業リストが1,000社あります。
さて、どこから営業しますか?
Excelの一番上?会社名の「あ」から?
なんとなく知っている会社から?
……意外と、ここを決めずに営業を始めてしまうことがあります。
営業リストを作る。担当者へ渡す。
そして、「じゃあ、上から順番に電話してください。」
もちろん、これも営業方法の一つです。
でも、ちょっと考えてみましょう。
リストに載っている1,000社は、本当にすべて同じでしょうか。
- 自社の商品を必要としていそうな会社。
- 少し可能性がありそうな会社。
- 今はあまり必要としていなさそうな会社。
- すでに問い合わせをしてくれた会社。
- 以前商談したことがある会社。
いろいろ混ざっているはずです。
それなのに、すべての会社へ同じ順番、同じ方法、同じ回数で営業する。
これは少しもったいないですよね。
営業担当者の時間には限りがあります。
だからこそ大切になるのが、営業リストに「優先順位」をつけること。
今回は、見込み度によって営業先を分け、アプローチ方法を変える基本的な考え方を見ていきましょう。
第1章:営業リストは「会社を並べた名簿」ではない

まず、営業リストについて簡単に整理しておきましょう。
営業リストとは、営業したい企業の情報をまとめたものです。
例えば、
- 会社名
- 業種
- 所在地
- 電話番号
- Webサイト
- メールアドレス
こうした情報をまとめておけば、営業先を探すところから毎回始めなくて済みます。
ただし、営業リストを作っただけでは営業は効率化できません。
例えば1,000社の営業リストを作ったとします。
その中には、「かなり自社の商品と相性が良さそう」という会社もあれば、
「条件には入っているけれど、実際にはあまり必要なさそう」という会社もあるでしょう。
つまり営業リストは、
1,000社の同じ会社が並んでいるわけではないということです。
ここで必要になるのが優先順位です。
例えば、
A:見込み度が高い
B:見込み度は中くらい
C:現時点では見込み度が低い
このくらいのシンプルな分類でも構いません。
大切なのは、
「営業リストに載っているから、全部同じように営業する」と考えないことです。
営業リストは電話帳ではありません。
限られた営業時間を、どこへ使うのかを決めるための情報でもあるのです。
第2章:「見込み度」は何を見て判断する?
では、A・B・Cをどうやって決めればいいのでしょうか。
ここで登場するのが「見込み度」という考え方です。
見込み度とは簡単に言えば、
「自社の商品やサービスを購入してくれる可能性が、どのくらいありそうか」ということです。

もちろん、契約するかどうかを事前に100%当てることはできません。
占いではありませんから(笑)
そこで、いくつかの情報を使って考えます。
①自社のターゲットに合っているか
まず確認したいのが、そもそも自社の商品を必要としそうな会社なのかということです。
例えば、
- 業種
- 会社規模
- 地域
- 店舗数
- 事業内容
こうした条件を見ます。
自社の既存顧客と似た特徴を持つ会社なら、商品との相性が良い可能性があります。
②相手に必要性がありそうか
次に、「今、その会社が困っていそうか」を考えます。
例えば採用支援サービスを販売しているなら、積極的に求人を出している会社はニーズがあるかもしれません。
店舗向けのサービスなら、新店舗を増やしている企業は検討対象になるかもしれません。
企業のWebサイトや公開情報などから、営業のきっかけになる情報が見つかることがあります。
③自社との接点があるか
すでに何らかの接点がある企業も重要です。
例えば、
- 以前問い合わせがあった。
- 資料を請求した。
- 展示会で名刺交換した。
- 過去に商談した。
- 以前は契約にならなかったけれど、担当者と話したことがある。
まったく自社を知らない企業と、一度話したことがある企業では、スタート地点が違います。
④相手の行動があるか
相手側から行動があった場合は、見込み度を考える大きな材料になります。
例えば、
「料金を知りたい」
「詳しい資料が欲しい」
「導入方法を教えてほしい」
と問い合わせがあった。
これは、自社の商品について具体的に知ろうとしている状態です。
💡つまり見込み度は、一つの情報だけではなく、
「自社に合っているか」+「必要性がありそうか」+「どのくらい興味を持っているか」
などを組み合わせて考えます。
最初から複雑な点数をつける必要はありません。
まずは、A・B・Cの3段階くらいから始めれば十分です。
第3章:見込み度が違えば、営業方法も変える

優先順位をつける目的は、Aランクから順番に電話することだけではありません。
もっと大切なのは、見込み度によってアプローチを変えることです。
例えば、次の3社があるとします。
A社:見込み度が高い
自社のターゲットにぴったり。
さらに、最近問い合わせがあり、「料金について詳しく知りたい」と言っています。
この会社に対して、「来月あたりにメールでも送っておこうかな。」では、ちょっとのんびりしすぎですよね(笑)
見込み度が高い相手には、できるだけ早く対応します。
・電話や個別メールで連絡する
・商談の日程を提案する
・相手に合わせた資料を用意する
・質問や問い合わせには早めに対応する
営業担当者の時間をしっかり使う価値があります。
B社:見込み度は中くらい
ターゲットには合っている。
商品も役立ちそう。
ただし、まだ自社との接点はありません。
この場合は、いきなり強い営業をするより、
まず商品を知ってもらう。
役立つ情報を届ける。
反応があれば次へ進む。
という方法も考えられます。
電話や営業メールなどで接点を作りながら、相手の反応を見ます。
C社:現時点では見込み度が低い
条件には入っているけれど、自社の商品が今すぐ必要かは分からない。
この会社へA社と同じ時間を使う必要はないかもしれません。
すぐに商談を目指すのではなく、
- ブログ
- メールマガジン
- SNS
- 資料
などを通じて、自社を知ってもらう方法もあります。
そして状況が変わったら、改めてアプローチする。
ここで重要なのは、Cだから「いらない会社」という意味ではないことです。
今は必要なくても、半年後には状況が変わるかもしれません。
担当者が変わる。
事業が拡大する。
新しい課題が生まれる。
予算がつく。
そんなこともあります。
だから、Aには濃く、Bには適度に、Cには長く。
相手の状態に合わせて、時間と方法を変えていく。
これがアプローチ設計の基本です。
第4章:優先順位は「一度決めたら終わり」ではない

ここで、もう一つ大切なことがあります。
営業リストにA・B・Cをつけました。
「よし、完成!」ではありません。
会社の状況は変わります。
例えば、最初はCだった会社から突然問い合わせが来た。
それなら、一気にAへ変わる可能性があります。
逆にAだと思って商談してみたら、「今年はまったく導入予定がありません」と分かった。それなら、しばらく優先順位を下げてもいいでしょう。
つまり、見込み度は固定ではないということです。
そこで、営業した結果もリストへ残していきます。
・いつ連絡したか
同じ会社へ短期間に何度も連絡するのを防げます。
・どんな反応だったか
「興味あり」「時期が合わない」「担当者不在」などを記録します。
・なぜ契約にならなかったか
価格、機能、タイミングなど、理由が分かれば次の営業にも活かせます。
・次にいつ連絡するか
「来年度に再検討」などと言われた場合、次の連絡時期を残しておきます。
すると営業リストは、単なる会社情報の一覧から、
「次にどこへ営業すればいいのかが分かるリスト」へ変わっていきます。
さらに営業を続けていけば、
「この業種は反応がいい」
「この規模の会社は商談になりやすい」
「こういう企業は成約につながりやすい」
といった傾向も見えてきます。
その情報を使って、次に作る営業リストの条件を変える。
すると、
営業する
↓
反応を記録する
↓
見込み度を更新する
↓
優先順位を変える
↓
次の営業へ活かす
という循環ができます。
営業リストは、作って終わりではありません。
営業するほど情報が増え、使いやすくなっていくものなのです。
まとめ
いかがでしたか?
営業リストを作ったら、「上から順番に全部営業する。」
それも一つの方法です。
でも、営業担当者が使える時間には限りがあります。
だからこそ、
どこへ時間を使うのかを考える必要があります。
まずは難しく考えず、
A:見込み度が高い
B:見込み度は中くらい
C:現時点では見込み度が低い
くらいに分けてみる。
そして、
Aには早く、個別に対応する。
Bには接点を作り、反応を見る。
Cには無理に売り込まず、将来のために関係をつないでおく。
こうして相手の状態によって営業方法を変えていきます。
そして、営業した結果はリストへ戻す。
問い合わせがあった。
商談した。
今は必要ないと言われた。
半年後なら検討すると言われた。
こうした情報が増えるほど、営業リストは単なる会社名の一覧ではなくなります。

「次にどこへ営業すべきか」を判断するためのデータになっていきます。
営業リストが100社あっても、1,000社あっても、営業担当者の一日は24時間です。
だったら、全部に同じ時間を使う必要はありません。
営業は「たくさん連絡する」だけではなく、「どこに時間を使うか」を決める仕事でもある。
まずは今使っている営業リストを眺めて、
「この中で、今いちばん話を聞いてくれそうなのはどこだろう?」
と考えてみる。
そこから、営業リストの使い方が少し変わってくるはずです。
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