はじめに
「製造スタッフを募集している企業だから、外国人材を紹介できるかもしれない」
そう考えて電話したところ、「外国人採用は初めてで、何から考えればよいか分からない」と言われる。一方で、仕事内容を聞いてみると、自社で紹介できる人材とは条件が合わないこともあるでしょう。
外国人材紹介の営業では、求人企業を見つけるだけで、そのまま提案へ進めるとは限りません。仕事内容や勤務地に加え、企業の受け入れ意向、自社が対応できる支援範囲も関わってきます。
だからこそ、営業先探しでは「人を募集しているか」と「自社が支援できるか」を分けて考えることが大切です。
この記事では、外国人材紹介会社が、自社に合う営業先企業を探す方法を紹介します。
求人が出ている企業でも、提案の入り口は違う
例えば、同じ製造スタッフの求人でも、企業から聞かれる内容は異なります。
初めて外国人採用を検討する企業なら、こんな質問が出るかもしれません。
- 日本語で作業指示を伝えられるか
- 面接では、経験や意思疎通をどう確認するのか
- 入社までに、何を準備すればよいのか
- 入社後に相談できる窓口はあるのか
すでに外国人材を採用している企業なら、募集職種や人数、入社時期など、具体的な条件から相談が始まることも考えられます。
どちらも営業先候補ですが、同じ説明で進めると話がかみ合わなくなります。
求人情報は、企業と話すきっかけです。受け入れ意向や詳しい条件まで分かったわけではありません。
リストを作る段階では候補を見つけ、連絡してから確認することを整理しておきましょう。

営業先を探す前に、自社が紹介できる条件を整理する
「外国人材をご紹介できます」だけでは、探す企業の範囲が広すぎます。
まずは、次の項目を社内でそろえてみてください。
- 対応分野: どの業種・仕事内容に対応できるか
- 人材の経験: どんな実務経験や技能を持つ人を紹介できるか
- 日本語での対応: どのような会話や業務上のやり取りに対応できるか
- 対応地域: どの勤務地まで紹介・支援できるか
- 支援範囲: 採用前後に、自社で何を支援できるか
例えば、「製造業全般」よりも、「特定の製造工程に経験を持つ人材を、対応地域の工場へ紹介する」と考えた方が、探す企業が明確になります。
なお、紹介の可否は業種名だけでは決まりません。実際の仕事内容や候補者の条件など、個別の確認が必要です。
外国人材紹介会社が営業先を見つける5つの切り口
1.自社が得意な仕事内容で募集している企業
最初に探したいのは、自社が紹介できる人材の経験と、募集する仕事が近い企業です。
製造業であれば、会社の業種だけでなく、求人に書かれた作業内容まで確認します。
「工場勤務」と書かれていても、加工、組み立て、検査などで求められる経験は変わります。介護分野でも、勤務形態や具体的な業務内容を確認したいところです。
会社名を集める前に、「どの仕事なら提案できるか」を決める。 これだけでも、連絡後の条件のずれを減らす助けになります。
2.求人に外国人採用に関する記載がある企業
求人や企業の採用ページに、外国人採用についての説明があるかを確認する方法です。
記載があれば、初回の連絡で確認したいことを具体化できます。
例えば、次のような聞き方です。
「採用ページで外国人採用について拝見しました。現在募集されている職種でも、ご紹介を検討いただけますか?」
ただし、過去の採用事例があっても、現在の募集で紹介を受け付けているとは限りません。記載がない場合も、受け入れ不可と決めつけず、確認が必要な候補として扱いましょう。
3.通勤や住まいの条件まで確認できる地域の企業
仕事内容は合っていても、実際の勤務地を聞くと紹介が難しい。こうしたずれを避けるために、地域は本社所在地だけで判断しないようにします。
例えば、駅から離れた工場なら、通勤手段が検討事項になります。転居を伴う紹介なら、住まいについて企業と何を相談できるかも確認したいところです。
候補リストには、少なくとも次の情報を分けて残しましょう。
- 本社所在地
- 実際の勤務地
- 求人に記載された交通・通勤条件
- 住まいに関して確認したいこと
地図上では近くても、毎日通えるかは別の話です。勤務地まで確認しておくと、その後の提案を進めやすくなります。

4.複数の工場・施設・店舗で募集している企業
同じ運営会社が、複数の拠点で求人を出している場合も営業先候補になります。
このとき注意したいのは、募集している現場と、採用を決める窓口が同じとは限らないことです。
例えば、施設へ電話して「採用は本部でまとめています」と案内される場面が考えられます。施設ごとに別の会社として登録していると、同じ本部へ重複して連絡しかねません。
施設名や店舗名と、運営法人名を分けて整理しておくと、確認の手間を減らせます。
5.継続して同じ職種を募集している企業
以前確認した企業が、引き続き同じ職種を募集しているなら、採用状況を改めて聞くきっかけになります。
ただし、掲載が続いている理由は、求人情報だけでは分かりません。採用人数が多いのか、定期的な募集なのか、すでに充足しているのかを確認しましょう。
「採用に困っていますよね」と決めつけるよりも、次のように聞く方が話を始めやすくなります。
「現在もこちらの職種を募集されていますか。募集が続いているようでしたら、人材のご紹介について一度ご相談できればと思い、ご連絡しました。」
企業探しと、受け入れ条件の確認を分けて進める
ここまでの確認を、すべて最初から一社ずつ行うと時間がかかります。
企業情報を探し、電話番号を転記し、求人を読み直す。リストが完成した頃には、電話をかける時間が残りわずか、ではもったいないですね。

そこで、作業を二つに分けます。
- 業種・地域・求人情報から、営業先候補を集める
- 候補企業の仕事内容や受け入れ意向を確認する
候補収集の方法の一つが、営業リスト収集ツールListoru(リストル)です。
外国人材紹介会社向けのページでは、次の収集先が紹介されています。
- ハローワークインターネットサービス
- Indeed
- 安心介護紹介センター(旧かいごDB)
- エミダス工場検索
公開されている企業・施設情報を収集し、CSVで出力することで、企業名や連絡先を一件ずつ転記する工程を効率化できます。取得できる項目や条件は、収集先によって異なります。
浮いた時間は、求人の仕事内容を読む、採用窓口を確認する、紹介できる人材との条件を照らし合わせる、といった作業へ回せます。

情報源に合わせた3つの活用例
1.製造分野:工場候補を集め、対応する仕事を確認する
エミダス工場検索から製造企業の候補を集め、自社が対応する分野と照らし合わせます。
そのうえで企業サイトや求人を確認し、紹介できる人材の経験に合う仕事があるかを調べます。
工場の一覧から採用予定まで分かるわけではありません。企業候補の発見と、募集状況の確認を分ける使い方です。
2.介護分野:施設と運営法人を整理する
安心介護紹介センターに掲載されている施設情報を、営業候補の整理に活用します。
取得後は、施設名だけでなく運営法人や採用窓口を確認します。同じ法人の施設をまとめておけば、本部への相談が必要か、施設単位で確認するかを整理できます。

初回の連絡では、募集職種や勤務形態とあわせて、外国人材の紹介を検討できるかを聞きましょう。
3.求人情報:対応職種の募集企業を探す
ハローワークインターネットサービスやIndeedを使い、自社が対応する職種・地域の求人から候補を探します。
取得後は、掲載企業と実際の採用企業の関係、募集内容、現在も募集中かを確認します。
「求人がある企業の一覧」から、「自社の人材について相談する理由がある企業の一覧」へ整える工程です。
初回の電話では、紹介の前に確認したいことを聞く
外国人材を初めて採用する企業に、いきなり詳しいサービス説明をしても、何を判断すればよいか分からないかもしれません。
まずは、募集と検討意向を確認するところから始めてみましょう。
「製造スタッフの求人を拝見してご連絡しました。弊社では、この分野の経験を持つ外国人材をご紹介しています。現在の募集で、外国人材の採用も検討の対象になりますか?」

関心がある場合は、次の項目を確認します。
- 実際の仕事内容と勤務地
- 必要な経験や、日本語でのやり取りの内容
- 採用したい人数と時期
- 外国人材の採用経験
- 受け入れにあたって気になること
- 次に相談すべき担当部署や担当者
例えば、「現場で指示が伝わるか心配」という話が出たら、どのような指示や確認が必要なのかを聞きます。
そこで初めて、自社が紹介できる人材や、対応できる支援を具体的に説明できます。対応できないことまで約束せず、確認が必要な点は持ち帰りましょう。
リストからは分からないこともある
リストルで企業情報を取得しても、次の内容まで判断できるわけではありません。
- 外国人材を受け入れる意向があるか
- 現在の募集で、人材紹介を利用する予定があるか
- 候補者と仕事内容・採用条件が合うか
- 企業がどのような支援を必要としているか
情報収集の効率化と、紹介先としての判断は別の工程です。全掲載情報の取得が保証されるわけでもないため、必要な項目が取得できるかを先に確かめましょう。
無料お試しでは、対象となる約40サイトから、最大3,000件をCSV出力できます。クレジットカードの登録は不要で、自動課金もありません。有料プランや、別途有料オプションの企業データベースとは利用範囲が異なります。
❓外国人材紹介の営業先探しでよくある質問

Q1:求人に外国人採用の記載がない企業も、営業先になりますか?
候補にはできます。ただし、求人情報だけで受け入れ意向を判断せず、現在の募集で外国人材の紹介を検討できるか確認しましょう。
初めて検討する企業であれば、気になっていることを聞き、自社が対応できる範囲を説明します。
Q2:すでに外国人材を採用している企業だけを探せますか?
今回紹介した企業・求人情報の収集だけで、外国人材の採用実績や現在の受け入れ意向まで判定することはできません。
企業の採用ページなどを確認し、不明な点は採用窓口へ聞く必要があります。
Q3:工場や介護施設へ直接電話してよいのでしょうか?
まず、公開されている採用窓口を確認しましょう。
採用を現場で進めている場合も、本社・本部でまとめている場合も考えられます。連絡先を案内されたら、リストへ記録し、同じ法人への重複連絡を避けます。
Q4:業種が合っていれば、人材を紹介できますか?
業種名だけでは判断できません。実際の仕事内容や候補者の条件、必要な確認事項を個別に照らし合わせてください。
営業先リストは、紹介できる企業の確定一覧ではなく、相談・確認する候補の一覧として扱いましょう。
まずは「対応する仕事と地域」を一つ決める

営業先を増やすときは、最初からあらゆる業種へ広げるよりも、自社が紹介できる仕事と地域を一つ決めてみてください。
候補企業を集めたら、求人内容と採用窓口を確認する。そのうえで、受け入れ意向や気になることを聞いていきます。
外国人材紹介の営業では、企業名の数に加えて、その企業に何を確認し、どんな支援を提案できるかが問われます。
まずは、自社に合う候補を探せるか、収集できる情報を確かめてみましょう。
⚒️営業効率をあげるリストル専用ツール


