
はじめに
マーケティングについて調べていると、よく登場する言葉があります。
「ターゲットを決めましょう」
そして、もう一つ。
「ペルソナを設定しましょう」
どちらも、「商品を売りたい相手を決めることかな?」という感じがしますよね。
では、「ターゲットとペルソナは何が違うの?」と聞かれると、意外と説明が難しい。
会議でも、「まずターゲットを決めて、そのあとペルソナを……」なんて言われると、「同じ人の話をしているんじゃないの?」と思うかもしれません(笑)
まず、ものすごく簡単に整理しましょう。
- ターゲット=商品を届けたい「人たち」
- ペルソナ=その人たちを代表する「具体的な一人」
まずはこの理解で大丈夫です。
例えば、
「30〜40代の中小企業経営者」
ならターゲット。
そこから、
「45歳。従業員20名の会社を経営。営業担当者が少なく、新規開拓に悩んでいる。自分自身も営業に出ている」
と具体的な人物像まで考えたものがペルソナです。
今回は、この二つの違いと、なぜわざわざペルソナまで考えるのかを、具体例を使いながら整理していきましょう。
第1章:ターゲットとは「誰に売るのか」を決めること

まずはターゲットです。
ターゲット(target)には「標的」「対象」といった意味があります。
マーケティングでは、
「自社の商品やサービスを、どんな人に届けたいのか」
を考えるときに使われます。
例えば、ビジネスバッグを販売するとします。
「バッグが欲しい人」では、かなり広いですよね。
学生かもしれません。会社員かもしれません。
旅行用のバッグを探している人かもしれません。
そこで、30〜50代の会社員で、仕事でノートパソコンを持ち歩く人くらいまで絞ってみます。
すると、
どんなバッグを作ればいいのか。
どんな機能が必要なのか。
どこで宣伝すればいいのか。
どんな言葉で商品の魅力を伝えればいいのか。
少し考えやすくなります。
この、「誰に届けるのか」をある程度のまとまりで決めたものがターゲットです。
BtoB、つまり企業向けの商品なら、
・従業員10〜50名程度の中小企業
・首都圏の飲食店
・採用活動を行っているIT企業
・新規開拓を強化したい中小企業
といった決め方もできます。
💡ターゲットは「個人」に限りません。
BtoBでは、業種、会社規模、地域、売上規模、抱えている課題などを使って対象企業を考えることもあります。
つまりターゲットを決めるとは、
「世の中すべての人に売ろうとせず、自社の商品が役立ちそうな相手を決めること」なのです。
第2章:ペルソナとは「具体的な一人」まで考えること

次はペルソナです。
マーケティングでいうペルソナとは、
商品やサービスを利用する代表的な人物像を、具体的に設定したものです。
先ほど、「30〜50代の中小企業経営者」というターゲットを考えました。
これをもう少し具体的にしてみましょう。
例えば、
鈴木さん、45歳。
従業員20名ほどの会社を経営している。
営業担当は3名。
既存顧客からの売上は安定しているものの、新規顧客がなかなか増えない。
営業担当者からは、「そもそも営業する会社を探すのに時間がかかる」と言われている。
鈴木さん自身も営業に出ることがあり、営業活動をもう少し効率化したいと思っている。
最近、「営業リスト 作り方」「新規開拓 効率化」などと検索している。
どうでしょう。
急に「顔」が見えてきませんか?
もちろん、実在する鈴木さんを探してくる必要はありません(笑)
大切なのは、どんな立場で、何に困っていて、何を求めている人なのかを具体的に考えることです。
これがペルソナです。
❓なぜ、そこまで細かく考えるの?
理由は、商品や伝え方を考えやすくするためです。
例えば、「中小企業経営者向けの記事を書こう」だけだと、テーマがかなり広くなります。
でも、「営業担当3名の会社を経営していて、新規開拓を効率化したい鈴木さんに向けて書こう」となると、
「営業先を探す時間を減らす方法を書こう」
「営業リストの作り方を説明しよう」
「少人数でも新規開拓を続ける仕組みについて書こう」
と、具体的な内容が思い浮かびやすくなります。
ペルソナは、「この人だったら、何に困るだろう?」と考えるための人物像なのです。
第3章:ターゲットとペルソナの違いを比べてみよう

ここまでの内容を、一度整理してみましょう。
例えば、企業向けに営業支援ツールを販売するとします。
ターゲットは、「新規開拓を行っている従業員10〜50名程度の中小企業」と設定しました。
これは、ある程度幅があります。会社によって業種も違います。
経営者自身が営業している会社もあれば、営業担当者が数名いる会社もあります。
この「人たち・企業群」がターゲットです。
一方、ペルソナでは、「従業員20名の会社を経営する45歳の鈴木さん。営業担当は3名。新規開拓を増やしたいが、営業先探しに時間がかかっている」というところまで具体化します。
つまり、
ターゲット=どのあたりの人たちを狙うか
ペルソナ=その中にいる一人を具体的にイメージする
という違いです。
例えば旅行へ行くとき、「北海道へ行こう」がターゲット。
「札幌駅近くのこのホテルへ行こう」くらいまで具体的にするのがペルソナ……
と考えると、ちょっと違いますが(笑)、イメージとしては「広い範囲から具体的な地点へ」と絞っていく感じです。
❓どちらか一つだけではダメ?
必ず両方を細かく設定しなければマーケティングができない、というわけではありません。
小さな会社なら、「うちは誰に売っているのか」がすでにはっきりしている場合もあります。
また、商品によっては複数のタイプのお客様がいるでしょう。
大切なのは、言葉を使うことではなく、
「誰に届けたいのかを具体的に考えること」です。
ターゲットを決めることで、狙う市場が見えてくる。
ペルソナを考えることで、その人の悩みや行動が見えてくる。
それぞれ役割が違うのです。
第4章:ペルソナは「想像だけ」で作らない

ペルソナについて調べると、
- 年齢
- 性別
- 住んでいる場所
- 家族構成
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 好きなSNS
など、非常に細かく設定された例を見ることがあります。
もちろん、商品によってはこうした情報も役立ちます。
でも、何でも細かくすればいいわけではありません。
例えば企業向けの営業支援ツールを売るのに、「鈴木さんは休日にキャンプを楽しみ、好きな食べ物はカレー」まで決めたとします。
……その情報、営業支援ツールを売るのに使いますか?
使わないなら、無理に決めなくてもいいでしょう(笑)
ペルソナで大切なのは、
商品を選ぶ行動に関係する情報を具体化することです。
BtoBなら、
- どんな会社で働いているのか。
- どんな役職なのか。
- どんな仕事を担当しているのか。
- 何に困っているのか。
- 何を改善したいのか。
- 商品を選ぶとき何を重視するのか。
- 誰が導入を決めるのか。
こうした情報のほうが重要です。
そして、もう一つ大切なのが、想像だけで作らないこと。
すでにお客様がいるなら、実際のお客様を見てみましょう。
- どんな企業が契約している?
- どんな人から問い合わせが来る?
- 最初にどんな悩みを相談された?
- なぜ自社の商品を選んだ?
- 契約までに何を比較した?
営業担当者が持っている情報や、問い合わせ内容、商談記録などにもヒントがあります。
複数のお客様に共通する特徴が見つかれば、それをペルソナへ反映できます。
💡つまりペルソナは、
「こんなお客様だったらいいな」という理想の人物を自由に作ることではありません。
実際のお客様や市場の情報をもとに、「自社の商品を必要とする人は、どんな人なのか」を具体的にするためのものです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「ターゲット」と「ペルソナ」の違いについて見てきました。
もう一度、シンプルに整理してみましょう。
・ターゲット=商品やサービスを届けたい「人たち・企業群」
・ペルソナ=その中にいる代表的な「具体的な一人」
例えば、
ターゲット:新規開拓を行っている従業員10〜50名程度の中小企業。
そこから、
ペルソナ:従業員20名の会社を経営する45歳の鈴木さん。営業担当は3名。新規顧客を増やしたいが、営業先探しに時間がかかっている。
というように具体化していきます。
ターゲットを考えると、「誰に売るのか」が見えてきます。
ペルソナまで考えると、「その人は何に困っていて、何を伝えれば興味を持つのか」まで考えやすくなります。
そして重要なのは、立派なペルソナ設定シートを作ることではありません。
年齢や趣味を細かく埋めて、「よし、マーケティングしたぞ!」となっても意味がありません(笑)
目的はあくまで、相手を理解すること。
誰にでも売ろうとすると、伝える言葉はぼんやりします。
相手が具体的になればなるほど、
どんな商品にするか。
何を強みにするか。
どんな記事を書くか。
どんな営業をするか。
判断しやすくなります。

マーケティングを考えるときに、「誰に届けるんだっけ?」と分からなくなったら、まずターゲットへ戻る。
さらに、「その人は何に困っているんだろう?」まで考えたくなったら、ペルソナを描いてみる。
ターゲットで範囲を決め、ペルソナで相手を具体的にする。
この違いを覚えておけば、マーケティングのさまざまな施策を考えるときの土台になります。
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