
はじめに
「来月から新規開拓を強化しよう。」
営業の仕事をしていると、こんな言葉を聞くことがあります。
新規開拓。
なんとなく、「新しいお客様を見つけることだろうな」というのは分かりますよね。
その通りです。
でも、いざ、「じゃあ、新規開拓を始めてください。」と言われたらどうでしょう。
誰に営業するの?
会社はどうやって探すの?
電話するの?
メールするの?
何を話せばいいの?
考えてみると、分からないことが次々に出てきます。
そして、とりあえず会社を検索して、上から順番に電話をかける……。
これでは、なかなか大変です。
新規開拓営業には、ちゃんと順番があります。
誰に売るのかを考える
↓
営業先を探す
↓
相手と接点を作る
↓
話を聞く
↓
提案する
↓
結果を振り返る
今回は、新規開拓営業とは何なのか、そして実際に始めるなら何から手をつければいいのかを、一つずつ見ていきましょう🔍
第1章:新規開拓営業とは「新しいお客様を作る営業」

まずは言葉の意味からです。
新規開拓営業とは、
まだ取引のない人や企業へアプローチし、新しいお客様になってもらうための営業活動
のことです。
例えば、企業向けの業務システムを販売している会社があるとします。
すでに契約しているA社へ、
「新しい機能が追加されました」と提案する。
これは既存のお客様への営業です。
一方、まだ取引したことがないB社へ、
「御社の業務効率化に役立つサービスがあります」とアプローチする。
こちらが新規開拓営業です。
つまり、大きな違いは、
すでに取引があるか、まだ取引がないか。
ここです。
💡新規開拓と既存営業は何が違う?
既存のお客様なら、すでに自社のことを知っています。
会社名も知っている。
商品も知っている。
営業担当者とも面識がある。
でも新規開拓では、相手が自社をまったく知らないことも珍しくありません。
電話をしても、「どちらの会社ですか?」から始まります。
そのため新規開拓では、まず自社を知ってもらうことが必要になります。
いきなり商品を売るのではなく、
知ってもらう。
興味を持ってもらう。
話を聞いてもらう。
そして必要であれば、商談へ進む。
この順番で考えると分かりやすくなります。
第2章:最初にやるのは「電話」ではなく「誰に売るか」を決めること

新規開拓と聞くと、
「とにかく電話をかけよう!」となりがちです。
でも、その前にやることがあります。
「誰に営業するのか」を決めることです。
例えば、飲食店向けの予約管理システムを販売しているとします。
新規開拓だからといって、
建設会社。
製造会社。
不動産会社。
学習塾。
美容院。
と、あらゆる会社へ営業しても効率はよくありません。
商品を必要としてくれそうな会社を考えたほうがいいですよね。
そこで、
- 飲食店。
- 複数店舗を運営している。
- 予約管理に手間がかかっていそう。
といった条件を考えていきます。
これが営業の「ターゲット」です。
難しく考える必要はありません。
最初は、
・どんな業種なのか
・どのくらいの会社規模なのか
・どの地域なのか
・どんな困りごとを持っていそうなのか
このあたりから考えてみましょう。
さらに、すでにお客様がいる会社なら、既存顧客を見てみる方法もあります。
どんな業種のお客様が多い?
どのくらいの規模の会社がよく契約している?
どんな悩みを持って問い合わせてきた?
こうした情報を見ると、
「自社の商品が役立ちやすい会社」が少しずつ見えてきます。
💡新規開拓は、できるだけ多くの会社へ営業することではありません。
まずは、自社の商品を必要としてくれそうな相手を探すこと。
ここがスタートです。
第3章:営業する会社はどうやって探す?
ターゲットが決まったら、次は実際に営業する会社を探します。
例えば、
「千葉県にある製造業へ営業する」と決めたとします。
次に必要になるのが、
- 会社名
- 所在地
- 電話番号
- Webサイト
- 業種
- メールアドレス
などの企業情報です。
こうした営業先の情報をまとめたものを、一般的に「営業リスト」と呼びます。

💡営業リストはどうやって作る?
方法はいろいろあります。
・インターネットで企業を探す
検索エンジンや企業のWebサイトなどを使い、条件に合う会社を探します。
・業界団体や企業情報などを調べる
特定の業界へ営業したい場合、その業界に関する公開情報から企業を探せることがあります。
・展示会やイベントで接点を作る
自社の商品と関係する展示会などへ参加している企業は、その分野への関心がある可能性があります。
・営業リスト作成サービスやツールを利用する
企業情報を一社ずつ手作業で探すと時間がかかります。必要に応じて営業リストを作成できるサービスやツールを活用する方法もあります。
ここで注意したいのは、
会社をたくさん集めれば、それで良い営業リストになるわけではない
ということです。
例えば1万社のリストがあっても、自社の商品とはほとんど関係のない企業ばかりなら、営業は大変です。
反対に500社でも、「この会社なら商品が役立ちそうだ」という企業が集まっていれば、営業しやすくなります。
営業リストは単なる電話帳ではありません。
「誰に営業するのか」を決めるための土台です。
だからこそ、最初にターゲットを考えることが重要なのです。
第4章:営業先が決まったら「接点を作る」
営業リストができました。
ここでようやく、実際のアプローチが始まります。
新規開拓の方法は一つではありません。

・電話・・・直接企業へ連絡する
いわゆるテレアポです。担当者へ商品やサービスについて簡単に伝え、詳しく話す機会を作ります。
・営業メール・・・メールで商品やサービスを案内する
相手が自分のタイミングで内容を確認できるのが特徴です。文章だけで伝えるため、短く分かりやすい内容が重要になります。
・問い合わせフォーム・・・企業のフォームから連絡する
企業によっては問い合わせフォームが窓口になっている場合もあります。営業目的の連絡を禁止している企業もあるため、相手の案内やルールを確認することが大切です。
・紹介・・・知人や取引先からつないでもらう
すでに信頼関係のある人から紹介してもらえるため、最初の話を聞いてもらいやすい場合があります。
・WebサイトやSNS・・・相手から見つけてもらう
ブログ、SNS、広告などを通じて自社を知ってもらい、問い合わせにつなげる方法もあります。
どの方法が一番良いかは、商品やターゲットによって変わります。
そして、この段階での目的は、「いきなり契約してもらうこと」ではありません。
まずは、「少し話を聞いてみようかな。」と思ってもらうこと。
つまり商談の予約、「アポ」につなげることが一つの目標になります。
アポが取れたら商談へ進みます。
商談では、
- 相手が何に困っているのか。
- 現在どんな方法を使っているのか。
- 自社の商品で解決できそうなのか。
といったことを確認します。
そして相手の課題に合えば、商品やサービスを提案します。
💡ここで大切なのは、新規開拓営業を、
「知らない会社へ商品を売り込む仕事」だけだと考えないことです。
本来は、
自社の商品を必要としてくれそうな会社を探し、接点を作り、相手の課題を知り、役立つ方法を提案する仕事なのです。
第5章:最初から「うまく売る」より、結果を記録する
新規開拓を始めると、最初はなかなか思ったように進まないことがあります。
電話をしてもアポが取れない。
メールを送っても返信がない。
商談しても契約にならない。
すると、
「新規開拓って難しいな……。」となります。
はい、簡単ではありません(笑)
営業の一番難しいところかもしれません。
特に新しい商品や、新しいターゲットへ営業するときは、最初から正解が分からないこともあります。
だからこそ重要なのが、結果を記録することです。
例えば、
100社へ連絡した。
10社から反応があった。
5社と商談した。
1社が契約した。
ここまで記録すると、営業活動が数字で見えてきます。
さらに、
どの業種から反応が多かった?
どんな言葉で説明したときにアポが取れた?
どんな理由で断られた?
どのくらいの規模の会社が興味を持った?
こうしたことも記録していきます。

すると、
「この業種は意外と反応がいいな。」
「小規模企業より中規模企業のほうが合っているかもしれない。」
「価格より、この機能を説明したほうが興味を持ってもらえるな。」
といったことが分かってきます。
そして次の営業では、少しやり方を変える。
営業する
↓
結果を記録する
↓
うまくいった理由・いかなかった理由を考える
↓
ターゲットや伝え方を変える
↓
もう一度営業する
この繰り返しです。
新規開拓営業というと、営業担当者の「話術」や「根性」が注目されがちです。
もちろん、人と話す力も大切です。
でも、それだけではありません。
- 誰に営業したのか。
- どんな方法で連絡したのか。
- どんな反応だったのか。
- 次に何を変えるのか。
これを記録して改善していけば、新規開拓は少しずつ「仕組み」にできます。
「今日は気合いで100件電話するぞ!」
だけでは、毎日がなかなか大変です(笑)
気合いだけに頼らず、営業活動そのものを改善していくことが大切なのです。
まとめ
いかがでしたか?
新規開拓営業とは、
まだ取引のない人や企業へアプローチし、新しいお客様になってもらうための営業活動です。

ただし、「新規開拓をしよう!」と言って、いきなり電話をかけ始める必要はありません。
まず考えるのは、誰に売るのか。
そこから、
①ターゲットを決める
②営業する会社を探す
③営業リストを作る
④電話やメールなどで接点を作る
⑤アポ・商談へ進む
⑥相手の課題に合った提案をする
⑦結果を記録して改善する
という流れで進めていきます。
最初から完璧な営業リストを作る必要もありません。
最初から完璧な営業トークを作る必要もありません。
まずある程度の条件を決めて、実際に営業してみる。
そして反応を見る。
そこから、
「もう少しこの業種に絞ってみよう。」
「この説明は分かりにくかったな。」
「この規模の会社から反応が多いな。」
と修正していけばいいのです。
新規開拓営業は、
知らない会社へ片っ端から電話をすることではありません。
自社の商品を必要としてくれそうな会社を見つけ、その会社との最初の接点を作ること。
そこから営業が始まります。
「新規開拓、何から始めればいいんだろう?」
と迷ったら、まず電話を手に取る前に、
「うちの商品は、どんな会社の役に立つんだろう?」
ここから考えてみてください。
その答えが、新規開拓営業の最初の一歩になります。
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