「お前ら、もう戦力外だと思ってる」
あの日、部長が口にしたその一言が、すべての始まりでした。
営業コンペで6期連続最下位という不名誉な記録を更新中だった、ある営業チーム。
結果は出ない、モチベーションは下がる、チーム内の空気は最悪。
どこにでもある“ダメな営業チーム”の典型でした。
でも、このまま終わるわけにはいかない。
誰よりもそう思っていたのが、当時そのチームを任されたリーダー。
メンバーの半数が異動候補と言われる中、彼はチーム再建に立ち上がります。
本記事では、そんな「万年最下位チーム」が、
わずか数ヶ月でV字回復を遂げ、営業コンペで優勝するまでの実話風ストーリーをお届けします。
「ダメなチーム」なんて、きっと本当はどこにもない。
変われる“きっかけ”さえつかめれば、人も、チームも、必ず変わる。
この物語が、あなたのチームや職場にとって、
ひとつの“ヒント”になれば嬉しいです。
第1章|V字回復の第一歩は“全員の腹を割った対話”だった
「で、俺たち何がダメなんだと思う?」

リーダーがそう切り出したのは、部長から“戦力外”通告を受けた翌週のミーティング。
あの場にいた全員が驚いた。
なぜなら、それまでの会議は「今月の数字」「来月の目標」だけで終わる、
言ってしまえば“作業報告の場”でしかなかったからです。
誰も口にしなかった“本音”が溢れ出す
「営業のやり方がバラバラで、自分の数字しか見てない」
「他のチームと比べられて、正直やる気が出ない」
「そもそも、ウチって何を目指してるの?」
次々に飛び出す本音のオンパレード。
思わず空気が張り詰め、沈黙が訪れました。
でも、この“沈黙”こそが、チームが変わり始めた証だったのです。
「聞くだけ」「責めない」「比べない」
この対話の場には、ある3つのルールが設けられていました:
- 聞くだけに徹する(反論しない)
- 過去の責任を問わない
- 他チームと比べない
誰かの“正しさ”ではなく、一人ひとりの“感じていたこと”に耳を傾ける。
この「安心感」が、全員の心の鎧を外していきました。
「悔しい」という共通点が、チームをひとつにした
ミーティングの最後、静かに一人が言いました。
「俺、悔しいっすよ。こんな成績で“できないチーム”扱いされるの」
それをきっかけに、ほぼ全員が同じ気持ちを口にしました。
やる気がないわけじゃない。悔しい、でもどうすればいいか分からなかっただけ。
「変わりたい」——その小さな共通点が、チームの再出発の“種”となりました。
第2章|「勝つ」ために変えた、たった3つの営業行動
腹を割った対話から数日後、チームに新たな共通目標ができました。
「次の営業コンペで“下から数えたほうが早い”は卒業しよう」
目標は低くてもいい。まずは、“変わった実感”が欲しい。
そんな中、チームが変えると決めたのは、たった3つの営業行動でした。
① 提案の「型」を徹底的にそろえる
これまで、各自バラバラだった提案スタイル。
やり方が自由すぎて、うまくいってるのかどうかさえ分かりませんでした。
そこで導入したのが、“提案書のテンプレート化”。
- 構成:課題→提案→期待効果→実行ステップ
- デザインも「伝わる図解」重視
- お客様ごとの“業界別トーク集”も作成
最初は「型なんて邪道だ」と言っていたベテランも、
次第に「伝えやすい」「抜け漏れがなくなる」と実感し、全体に浸透していきました。
② ロープレを“儀式”に変える
毎週金曜の朝、「ロープレの日」として営業ロールプレイングを全員で実施。
最初は恥ずかしさから空気が重かったものの、やればやるほど明らかに提案力が上がっていきました。
ロープレのポイントは以下のとおり:
- “完璧”よりも“試す場”と位置付ける
- お互いにフィードバック(いい点・改善点)
- 「最も進化した営業マン」に拍手を送る文化
チーム内で称賛し合う文化が生まれ、
“1人の勝ち”から“チームの勝ち”へと意識が変わっていきました。
③ 朝会は「数字」ではなく「知恵の共有」に
それまでは「昨日の数字報告会」だった朝会を、
「昨日の“気づき”を共有する場」に変更。
- 失敗した理由を正直に話す
- 成功事例は細かく再現性まで言語化
- 1人3分以内、テンポ重視
この改革により、「数字に追われる」から「知恵がたまる」会議に変化。
メンバー同士が“学び合う”空気ができたことは、営業力以上に大きな進化でした。

第3章|意外な救世主「数字嫌いの新人」が起こした化学反応
チーム改革が軌道に乗り始めた矢先、ひとりの新人が配属されてきました。
彼の名は佐々木(仮名)、営業経験ゼロ、文系出身、そして筋金入りの“数字アレルギー”。
「数字とか無理っす…計算機すら信用してないんで」
入社初日の自己紹介に、全員がズッコケました。
📱 営業管理ツールが変えた“見える世界”
しかし、彼はある日、とんでもない提案をします。
「先輩方、これ使ってみませんか?アプリなんですけど、営業リストも活動管理も超ラクなんですよ」
最初は誰も期待していませんでした。
でも試しに使ってみると、これが思いのほか便利。
「自分の行動が、結果にどうつながってるかが“見える化”された」
これが、チームの“営業の質”を一変させました。
「指摘される前に、自分で気づける」環境へ
今までは、上司から数字を指摘されて気づくことが多かった営業活動。
ツールの導入によって、「先に自分で気づいて改善できる」環境が整いました。
- Aさん:「最近、提案数に比べて成約率が落ちてるな」
- Bさん:「フォロー日程のズレが失注の要因かも」
まさに、「データが語る営業」へとチームの視点がシフトしていった瞬間でした。
“数字嫌い”がチームの起爆剤に
皮肉にも、数字が苦手だった佐々木が、
「数字の苦手を克服するために」使ったツールが、チーム全体を変える原動力になったのです。
リーダーはこう語りました。
「一番“できなさそう”なやつが、一番“変化の種”を持ってくる。
これがチームでやることの面白さだよな」
第4章|結果が出始めた瞬間、チームに“魔法”がかかった
改革から3ヶ月目、ついに“その時”が訪れました。
月例の営業コンペで、チームは初の【3位入賞】を果たします。
「え、ウチが?…マジで?」
誰もが自分の耳を疑いました。だって、最下位が“定位置”だったんですから。

変化は「数字」よりも「顔」に表れた
不思議なことに、3位に入ったからといって、
劇的に成績が跳ね上がったわけではありません。
訪問件数や提案数も、前年と大差なし。
でも、チームの空気が明らかに違っていました。
- ミーティングでの発言量が倍増
- 提案内容の質がどんどん磨かれていく
- 「次、こうしたらもっとよくなるかも」と前向きな会話が当たり前に
まさに、「勝てるチーム」の雰囲気が漂い始めたのです。
そして迎えた最終戦、チームは優勝する
半年後、年度最後の営業コンペ。
この日のために、メンバー全員が仕込みに仕込んできた。
「俺たち、変われたんだって証明しようぜ」
結果は——優勝。
最下位だったチームが、一年の締めくくりで堂々の頂点に立ったのです。
胸に残ったのは、数字より“あの言葉”
優勝発表のあと、チームメンバーの一人がこう言いました。
「営業、嫌いだったんですよ。数字に追われて、詰められて。
でもこの半年、“誰かの役に立ってる”って実感できた。
…営業、好きになりました」
この瞬間、リーダーは確信しました。
チームの成功とは、成績だけじゃない。
“仲間が自分の仕事を誇れること”が、本当の勝利なんだ——と。
まとめ|「ダメなチーム」なんて、本当はどこにもなかった
最下位続きだったチームが、ほんの少し勇気を出して、
お互いに本音をぶつけ合い、小さな工夫を積み重ねた——
それだけで、組織は見違えるように変わりました。
何か特別な才能や人材があったわけじゃありません。
大切だったのは、
- 現実とちゃんと向き合うこと
- 信じて任せること
- 一人ひとりの“悔しい”を力に変えること
たったそれだけで、最下位チームは“勝てるチーム”へと生まれ変わったのです。

もしあなたのチームも、「うちはダメだ…」と悩んでいるなら、
この物語が小さな希望のきっかけになることを、心から願っています。
あなたの営業活動を応援します!

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