
はじめに
「最近、問い合わせが減っているな」
そんなとき、真っ先に思いつくのが広告費の増額です。
確かに、広告は新しいお客様との接点を増やす有効な手段です。
でも、ちょっと待ってください。
今の集客がうまくいかない原因は、本当に広告費が足りないことなのでしょうか。
実は、予算を増やす前に見直したいのが、お客様との最初の接点である「入口」です。
今回は、集客がうまくいかない会社にありがちな入口のズレと、その改善方法を考えてみましょう。

第1章:集客できない理由は「知られていない」だけではない
集客がうまくいかないとき、多くの会社はまず認知度を考えます。
「まだ会社を知っている人が少ない」
「もっと商品を広める必要がある」
「広告を出せば問い合わせが増えるはず」
もちろん、認知度が不足している場合もあります。
どれだけ良い商品でも、存在を知られていなければ購入してもらえません。
ただし、集客がうまくいかない理由は、それだけではありません。
例えば、毎日たくさんの人が店の前を通っているのに、誰も入ってこないお店があったとします。
そこで店長が、「よし、もっと人通りを増やそう!」と言い出したらどうでしょう。
いや、その前に店の入口を確認しませんか?
看板が分かりにくいのかもしれない。
何のお店か伝わっていないのかもしれない。
そもそも、店の前を通っている人がターゲットではないのかもしれません。
Web集客も、これとよく似ています。
例えば、こんな状態です。
・広告は見られているのに、クリックされない。
・Webサイトには来ているのに、すぐ離れてしまう。
・商品ページは読まれているのに、問い合わせがない。
・問い合わせはあるのに、営業対象にならない。
これらはすべて「集客がうまくいかない」という言葉で片づけられがちです。
でも、実際には問題が起きている場所が違います。
広告を見てもらえていないのか。
広告の内容に興味を持ってもらえていないのか。
Webサイトで期待に応えられていないのか。
そもそも集めている相手が違うのか。
ここを分けて考えないと、改善の方向を間違えてしまいます。
例えば、広告からWebサイトへ毎月5,000人が訪れているのに、問い合わせがほとんどない場合。
広告費を増やして訪問者を10,000人にすれば、問い合わせが増える可能性はあります。
でも、問い合わせにつながらない原因がそのままなら、広告費だけが増えてしまうかもしれません。
大切なのは、広告費を増やす前に、どこでお客様が離れているかを確認すること。
集客の改善は、予算を増やすことからではなく、まず入口のズレを見つけることから始まるのです。
第2章:入口のズレ①「誰に来てほしいか」が曖昧

最初に見直したいのが、ターゲットです。
以前の記事でも触れましたが、マーケティングでは「誰に届けるか」が非常に重要です。
ところが、集客がうまくいかない会社ほど、ターゲットが広すぎることがあります。
例えば、営業支援サービスを提供している会社があったとします。
広告に書いてあるのは、「企業の業務を効率化します!」という言葉。
間違ってはいません。
でも、これだけでは誰のどんな仕事を効率化するのか分かりません。
営業担当者向けなのか。
経理担当者向けなのか。
人事担当者向けなのか。
経営者向けなのか。
受け取る側は、自分に関係があるか判断できないのです。
一方、
「新規営業先を探す時間を減らしたい営業担当者へ」
と書いてあったらどうでしょう。
対象となる人は、「これは自分のことかもしれない」と思いやすくなります。
もちろん、伝える対象を絞れば、反応する人の数は減る可能性があります。
でも、商品を必要としている人に届きやすくなるかもしれません。
ここが大事なところです💡
集客では、たくさんの人に来てもらうことと、来てほしい人に来てもらうことを分けて考える必要があります。
特にBtoBでは、業種や会社規模、担当者の役割によって抱える課題が違います。
広告を増やす前に、
「この広告は、誰に向けたものなのか」
「その人は、今どんなことで困っているのか」
「その人が使う言葉で説明できているか」
を確認してみましょう。
ターゲットが曖昧なまま広告費を増やすのは、行き先を決めずにタクシーを走らせるようなものです🚖
メーターだけが元気に動きます(笑)
第3章:入口のズレ② 広告とリンク先で話が変わっている
次に確認したいのが、広告とリンク先のつながりです。
これは意外と見落とされがちなポイントです。
例えば、こんな広告があったとします。
「営業リスト作成にかかる時間を短縮したい方へ」
営業担当者がこの広告を見て、「ちょうど困っていたんだよね」と思ってクリックします。
ところが、開いたページには、
「当社は創業以来、お客様第一の精神で事業を展開し……」
という会社紹介が延々と続いている。

もちろん、会社の理念や歴史は大切です。
でも、広告をクリックした人が最初に知りたいのは、おそらくそこではありません。
「営業リスト作成がどう楽になるのか」
「何ができるのか」
「自社でも使えるのか」
ということです。
つまり、
広告で期待した内容と、リンク先で見せられた内容がズレているわけです。
これでは、せっかく広告に興味を持ってもらっても、途中で離れてしまう可能性があります。
広告は、お客様への最初の約束です。
「こんな情報がありますよ」
「こんな悩みを解決できますよ」
と伝えているわけです。
だからリンク先では、その約束に応える必要があります。
例えば、
「営業リスト作成を効率化」
という広告なら、リンク先でも営業リスト作成の課題と解決方法を最初に説明する。
「無料で試せる」
という広告なら、何をどこまで試せるのかを分かりやすくする。
「料金を知りたい」
という検索に応える広告なら、料金情報へ迷わず進めるようにする。
大切なのは、広告からWebサイトまで、話が一本につながっていること。
広告だけを改善するのではなく、クリックした後の体験まで含めて見直す必要があります。
第4章:入口のズレ③「次に何をすればいいか」が分からない
広告とリンク先が合っていても、問い合わせにつながらないことがあります。
その原因の一つが、次の行動の分かりにくさです。
例えば、Webサイトを訪れた人が商品に興味を持ったとします。
説明も分かりやすい。
機能も魅力的。
自社で使えそうだと思った。
ところが、ページの最後まで読んでも、
「で、どうすればいいんだろう?」となってしまう。
- 問い合わせボタンが見つからない。
- 資料請求の場所が分かりにくい。
- 申し込みの手順が複雑。
- 料金や利用条件が分からず、不安になる。
これでは、興味を持った人も行動しにくくなります。
ここで重要なのが、以前紹介したCTAです。

CTAとは、Webサイトを訪れた人に次の行動を案内するものです。
例えば、
「詳しいサービス内容を見る」
「料金を確認する」
「資料をダウンロードする」
「無料お試しを利用する」
「問い合わせる」
といった案内です。
ただし、ボタンを増やせばいいわけではありません。
むしろ、何でもかんでも並べると迷ってしまうことがあります。
大切なのは、そのページを訪れた人が、次に何を知りたいのか、何をしたいのかを考えること💡
まだ商品を知らない人には、まずサービス内容を見てもらう。
比較検討している人には、料金や導入事例を見てもらう。
すでに導入を考えている人には、問い合わせや申し込みへ進んでもらう。
相手の状況に合わせて入口と出口をつなげることが、集客の成果を左右します。
第5章:広告費を増やす前に「入口の健康診断」をする
では、実際にどこから見直せばいいのでしょうか。
おすすめは、広告費を増やす前に、集客の流れを一度整理してみることです。難しい分析システムを導入する必要はありません。
まずは次の5つを確認してみましょう。

1.誰に来てほしいのか
商品を必要としているのは、どんな会社や人なのか。
業種、会社規模、担当者の役割、抱えている課題を整理します。
2.何を期待してクリックしているのか
広告文や検索キーワードから、訪問者が何を知りたいのか考えます。
「商品を比較したい」のか。
「料金を知りたい」のか。
「課題の解決方法を探している」のか。
ここが分かると、リンク先に必要な情報が見えてきます。
3.リンク先は期待に応えているか
広告や検索結果で伝えたことと、ページの内容が一致しているか確認します。会社側が伝えたい話ばかりになっていないかも見直してみましょう。
4.次の行動が分かりやすいか
問い合わせ、資料請求、料金確認などの導線を確認します。
可能なら実際にスマートフォンでページを開き、自分で操作してみることも大切です。会社のパソコンでは問題なくても、スマートフォンではボタンが見つけにくいことがあります。
5.どこで人が離れているのか
そして最後に、数字を確認します。
例えば、
広告表示:20,000回
↓
広告クリック:500回
↓
Webサイト訪問:500回
↓
問い合わせ:5件
という流れがあったとします。
この場合、広告のクリック率は2.5%、訪問から問い合わせへのCVRは1%です。
ただし、これらの数字が良いか悪いかは、業種や広告の目的によって違います。大切なのは、いきなり他社と比べることではありません。
まず自社の過去の数字と比べる。
広告ごとの違いを見る。
ページごとの違いを見る。
そして、どこを改善すると成果が変わりそうかを考えることです。
例えば、ある広告はクリックされるのに問い合わせにつながらない。
別の広告はクリックが少なくても商談につながりやすい。
そんな違いが分かれば、予算の使い方も変わってきます。
広告費を増やす判断は、その後でも遅くありません。
もちろん、改善できる点を直したうえで、広告費を増やすことが有効な場合もあります。
重要なのは、
「問い合わせが少ないから予算を増やす」ではなく、「どこを改善すれば成果が増えるか」を考えて投資すること。
これが経営者に必要な視点です。
まとめ
いかがでしたか?
集客がうまくいかないとき、つい考えてしまうのが広告費の増額です。
でも、入口がズレたままでは、せっかく増やした予算も十分に活かせません。
- 誰に来てほしいのか。
- 何を期待して訪れているのか。
- 次に何をしてもらいたいのか。
まずは、この3つを見直してみましょう。
集客は、たくさんの人を呼ぶことだけではなく、来てほしい人を迷わず迎えること。

お店の入口が分かりにくいのに、呼び込みの人数だけ増やしても仕方ありませんよね(笑)
広告費を増やすのは、入口を整えてからでも遅くありません。
予算を増やす前に、まずは集客の設計を見直す。
それが、売上につながる集客への第一歩です。
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