
はじめに
朝からメールを返信する。
見積書を作る。
お客様からの問い合わせに対応する。
社員から相談される。
請求書を確認する。
ちょっとしたトラブルが起きれば、自分で対応する。
気づけば夕方🌇
「今日も忙しかったなあ……。」
ところが、ふと思います。
「あれ?今日、経営の仕事って何かしたっけ?」
中小企業の社長には、こんな日が意外と多いのではないでしょうか。
特に自分で立ち上げた会社なら、営業も商品もお客様のこともよく分かっています。
だから、つい何でも自分でやってしまう。
しかも困ったことに、社長がやるとだいたい早いんですよね(笑)
でも、「自分でやったほうが早い」を何年も続けていると、あるところで会社の成長が止まってしまうことがあります。
社長の時間には限りがあるからです。
では、社長が本当に時間を使うべき仕事とは何なのでしょうか。
今日は、会社を伸ばすための「社長の時間の使い方」について考えてみます。
第1章:社長が一番やってはいけないのは「自分でなくてもできる仕事」

タイトルの答えからいきましょう。
社長が一番やってはいけない仕事。
それは、経理でも、営業でも、雑務でもありません。
「社長でなくてもできる仕事を、社長がずっとやり続けること」です。
起業したばかりなら、社長が何でもやるのは当然です。
電話も取る。
営業もする。
資料も作る。
場合によってはオフィスの掃除だってする。
むしろ、その時期は現場を知る大切な経験になります。
問題は、会社が成長しても同じ状態が続くことです。
「この見積書は私が作ったほうが早い。」
「このお客様は私が対応したほうが安心。」
「社員に説明するくらいなら、自分でやったほうが早い。」
分かります。
ものすごく分かります。
でも、この「自分でやったほうが早い」は、経営者にとってかなり強力な罠です。
今日だけ見れば、本当に自分でやったほうが早い。
ところが半年後も、一年後も自分でやっていたらどうでしょう。
その仕事は永遠に社長から離れません。
社長の仕事が1時間増える。
会社が成長して仕事量が2倍になれば2時間になる。
さらに成長すれば……社長だけ一日48時間必要になります。
残念ながら、社長だけ地球の自転を変更することはできません(笑)
会社の成長を社長一人の処理能力に依存させない。
ここが最初のポイントです👆️
第2章:社長の仕事を4つに分けて考える
では、社長は何をして、何を手放せばいいのでしょうか。
私は一度、日々の仕事を4つに分けてみると分かりやすいと思います。

・社長にしかできない仕事・・・最優先で時間を確保する
会社の方向性を決める、重要な投資を判断する、事業を続けるか撤退するか決める。こうした最終判断は、誰かに丸投げすることができません。
・社長がやる価値の高い仕事・・・意識的に時間を使う
重要顧客との関係づくり、採用、商品やサービスの方向性を考える仕事などです。必ずしも社長しかできないわけではありませんが、社長が関わることで大きな価値を生む仕事です。
・仕組み化できる仕事・・・やり方を残して手放す
定期的な集計、見積作成、顧客対応など、ルールを作れば他の人でも再現できる仕事です。マニュアルやテンプレート、ITツールを活用できないか考えます。
・やらなくてもいい仕事・・・思い切ってやめる
昔から続けているだけの会議、ほとんど読まれていない報告書、目的の分からない集計など。「誰かに任せる」の前に「そもそも必要?」と考えることも大切です。
社長が忙しいと、つい「誰に任せよう?」から考えてしまいます。
でも、その前に、
やる・任せる・仕組みにする・やめる。
この4つに分けてみる。
すると、意外と「これ、誰もやらなくてよかったな」という仕事が見つかります。
仕事の効率化というと、10分の作業を5分に短縮することを考えがちです。
でも、一番効率がいいのは、必要のない10分をゼロにすることです。
これは社員だけでなく、社長の仕事でも同じです。
第3章:「任せる」は仕事を渡すことではなく、仕組みを渡すこと

ここで、多くの経営者がぶつかる壁があります。
「じゃあ、社員に任せよう。」そう決めて仕事を渡したものの、
「やっぱり自分でやったほうが早かった……。」となる問題です。
これもよくあります。
でも、よく考えると当然なんです。
社長はその仕事を何年もやっています。
社員は昨日初めて渡されました。
同じ速さでできたら、むしろ社長の立場が危ういです(笑)
大切なのは、仕事だけを渡さないことです。
・目的を伝える・・・「なぜやるのか」を共有する
作業手順だけではなく、その仕事が何のためにあるのかを伝えます。目的が分かれば、想定外の状況でも判断しやすくなります。
・判断基準を残す・・・毎回社長に聞かなくてもいい状態にする
「この金額までは担当者判断」「このケースだけ相談」など、判断できる範囲を決めます。全部確認が必要なら、社長の仕事は減りません。
・型を作る・・・品質を人任せにしない
テンプレート、チェックリスト、マニュアルなどを用意します。担当者の能力だけに頼らず、一定の品質を保てる仕組みにします。
・失敗できる範囲を作る・・・任せた仕事をすぐ取り返さない
最初から100点を求めると、結局社長が全部やることになります。会社に大きな影響がない範囲なら、経験する機会も必要です。
ここで重要なのは、「任せる=放置」ではないということです。
最初は教えるので、むしろ時間がかかります。
30分でできていた仕事を教えるのに、最初は1時間かかるかもしれません。
だから社長は、「ほら、自分でやったほうが早いじゃないか!」と思います。
でも、その1時間は単なる作業時間ではありません。
将来、その30分を何十回、何百回と社長がやらなくて済むための投資です。
今日の30分を惜しんで、毎月30分を永遠に払い続けるのか。
今日1時間使って、将来の30分を取り戻すのか。
任せるというのは、未来の時間を買う仕事でもあるのです。
第4章:社長が作るべきなのは「自分の空き時間」ではなく「会社の未来」
仕事を任せたり、仕組み化したりして時間ができたとします。
さて、その時間で何をするか。
ここが一番重要です。
空いた1時間で、またメールを返信していたら元に戻ってしまいます(笑)
社長が確保したいのは、単なる暇な時間ではありません。
未来を考える時間です。

・市場を見る・・・次の変化を考える
お客様のニーズ、競合、新しい技術、AIなど、自社の外側を見る時間を持ちます。現場の仕事だけをしていると、環境の変化に気づくのが遅れてしまいます。
・数字を見る・・・会社の現在地を確認する
売上だけでなく、利益率、顧客獲得の状況、継続率などを見ることで、「どこを改善すべきか」が分かります。経営判断を感覚だけにしないことが大切です。
・仕組みを作る・・・次に社長から離せる仕事を増やす
営業、採用、顧客対応などを「誰か優秀な人が頑張る」状態から「一定のやり方で成果が出る」状態へ変えていきます。
・次の一手を考える・・・半年後、3年後の会社を作る
新商品、新しい市場、採用、投資など、今日の売上にはならなくても未来の会社に必要なことがあります。ここに時間を使えるのが経営者の大きな役割です。
社長が現場から完全に離れる必要はありません。
むしろ、お客様や社員の声を知らなくなれば、良い経営判断はできません。
大切なのは、「現場にいること」と「現場に縛られること」を区別することです。
社長が一週間休んだら会社が止まる。
社長が承認しなければ何も進まない。
社長しか分からない仕事がたくさんある。
この状態で売上が2倍になれば、社長の負担も2倍になってしまいます。
それでは会社の成長に限界があります。
逆に、仕事が増えても仕組みで受け止められる会社なら、社長は次の成長を考えることができます。
つまり、会社を伸ばすとは、社長がもっと頑張ることではありません。
社長が頑張らなくても回る領域を、少しずつ増やしていくこと。
そして、そこで生まれた時間を、未来の会社づくりへ再投資することです。
これもまた、「設計で勝つ」経営なのだと思います。
まとめ
いかがでしたか?
社長が一番やってはいけない仕事は、特定の作業ではありません。
「自分でなくてもできる仕事を、自分でやり続けること」です。
もちろん、小さな会社では社長自身が現場に立つことも必要です。
営業もする。
お客様にも対応する。
時にはコピー用紙だって補充する。
(👆️これは気づいたときにはやりましょう!)
問題なのは、それが当たり前になって、会社の未来を考える時間までなくなってしまうことです。
まずは一週間、自分が何に時間を使っているかを書き出してみるのもおすすめです。

そして、「これは本当に私がやる必要がある?」と一つずつ考えてみる。
全部を一気に手放す必要はありません。
一つ任せる。一つ仕組みにする。一つやめる。
それだけでも、社長の時間は少しずつ変わっていきます。
社長が忙しいことと、会社が成長していることは同じではありません。
むしろ目指したいのは、
社長の仕事が増えなくても、会社の仕事は増やせる状態。
今日の仕事をこなす時間から、明日の会社を作る時間へ。
その時間の使い方の変化が、会社の成長速度を変えていくのではないでしょうか🖕✨️
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