はじめに
営業の現場でよくあるのが、「興味がない」「今は必要ない」と最初から断られてしまうパターンです。
こちらとしては提案に自信があっても、相手が課題を認識していなければ、話を聞いてもらうチャンスすら得られません。
そんなときに役立つのが「ニーズ喚起型営業」です。
これは、相手がまだ気づいていない課題や潜在的な欲求を引き出し、「それなら話を聞きたい」と思わせるアプローチ方法。
売り込むのではなく、「気づかせる」ことで自然に関心を高めるのが特徴です。
今回は、ニーズ喚起型営業の基本と、興味がない相手でも耳を傾けてもらえる実践的な方法を3つのステップに分けて解説します。
第1章:ニーズ喚起型営業の基本とは
ニーズ喚起型営業は、すでに顕在化しているニーズに応える御用聞き型営業とは異なります。
顕在ニーズ営業では、相手が「これが欲しい」と思っているため、提案もスムーズですが、その分競合も多く、価格勝負になりがちです。

一方、ニーズ喚起型営業は、まだニーズが潜在化している段階の相手にアプローチします。
会話の中で現状と理想のギャップを明確にし、「このままでは損をしているかもしれない」と感じてもらうのが狙いです。
成功のカギは次の3つ
- ヒアリングで相手の現状を丁寧に把握する
- 問題や改善点を数値や事例で“見える化”する
- 解決策を押しつけず、選択肢として提示する
たとえば、コピー機の営業なら、
「印刷コストを下げられます」ではなく、
「現在の月間印刷枚数から計算すると、年間で○万円削減できそうです」と、具体的な数字で課題を“見える化”します。
第2章:興味がなくても話を聞いてもらう質問術
最初の関門は「話を始めるきっかけ」です。
ニーズ喚起型営業では、冒頭で商品の説明をするのではなく、相手が答えたくなる質問から入ります。

質問例
- 「〇〇の管理、今どんな方法でされていますか?」
- 「もし□□のコストを20%減らせるとしたら、興味ありますか?」
- 「最近、△△のことで不便を感じることはありませんか?」
これらの質問は、相手の現状を引き出しつつ、「そういえば…」と考えさせる効果があります。
数字や条件を交えて聞くと、具体的な想像を促せます。
会話の流れ例
営業:「最近、在庫管理でお困りのことはありませんか?」
相手:「いや、特に問題はないですね」
営業:「そうなんですね。ちなみに、在庫の棚卸しにはどれくらい時間をかけていますか?」
相手:「うーん…1回で3〜4時間はかかってます」
営業:「もしそれが半分の時間で終わったら、他の業務に時間を回せそうですよね」
このように、最初は興味がなかった相手も、会話の中で課題に気づき始めます。
実践ポイント
- Yes/Noで終わらないオープンクエスチョンを使う
- 質問の前に軽く雑談や共感で距離を縮める
- 回答からさらに深掘りして「困っている実感」を高める
第3章:課題感を高め、解決策を自然に提示する
相手が「確かにそれは不便だ」と感じ始めたら、次は課題の影響を具体化します。
- 「このまま続くと、年間で〇〇円の損失になります」
- 「今のやり方だと、1日あたり△△分のロスが出ています」
数字や実例を交えることで、放置できない問題として意識されます。

ここで解決策を提示する際の注意点は、商品の説明よりも相手が得られる未来像を描くことです。
「弊社のツールは○○機能があります」よりも、
「このツールを使うと、毎月○時間の業務時間が浮きます。その分、新規開拓や企画に時間を割けます」と伝える方が刺さります。
さらに効果的なのは、複数の選択肢を提示すること。
- 案A:低コスト・短期間導入型
- 案B:効果重視・長期活用型
こうすることで、相手は「導入するかしないか」ではなく、「どちらにするか」で考えるようになります。
事例活用
「同じ業界で、○○社さんはこの方法を取り入れて半年で△△%のコスト削減に成功しました」
と、近い業種や規模の事例を示すと説得力が高まります。
まとめ
ニーズ喚起型営業は、相手が気づいていない段階から興味を持ってもらうための営業手法です。
単なる売り込みではなく、課題発見と解決のきっかけ作りが目的です。
- 現状を丁寧にヒアリングし、潜在的な課題を浮き彫りにする
- 課題感を高める質問で「気づき」を促す
- 解決後の未来像を描き、複数の選択肢を提示する

この流れを意識すれば、「興味がない」と言っていた相手が「もっと詳しく聞きたい」に変わります。
営業のチャンスは、待つのではなく、会話の設計で作り出すことができるのです。
あなたの営業活動を応援します!
営業リスト作成にお困りではありませんか?

「広告費をかけても成果ゼロ…」それ、“売る相手”を間違えてるのかもしれません。営業成果は“リスト”で9割決まります。
→ 成果を出す営業リスト3000件が無料で試せる👇
📝営業リスト収集ツール「リストル」https://www.listoru.com/
コメント