医療機器メーカー営業の仕事内容とは?ドクターとの信頼構築術と現場のリアル byリストル

はじめに:営業なのに、命と向き合う――そんな世界がある

「営業って、モノを売る仕事でしょ?」
そう思っていた私の常識が、ひっくり返された日がある。

ある医療機器メーカーの営業さんと話をしたときだった。
彼の言葉は、どこか“静かな覚悟”に満ちていて、営業という仕事の枠を超えていた。

「僕らの製品は、命に直接関わるんです。
だから、ドクターに“売り込む”んじゃなくて、“信頼される”ことの方が100倍大事なんですよ。」

そんな彼らの仕事は、患者の命を支える“影のプロフェッショナル”。
でも、その実態はなかなか外に知られていない。

そこで今回は、医療機器メーカーで営業として活躍する現役社員の方に、じっくりとお話を聞いてみることにした。
一体どんな想いで、どんな現場で、彼らは働いているのか?

第1章:なぜ医療機器営業という道を選んだのか?

──今日はお忙しい中ありがとうございます。まず最初に、今のお仕事に就かれたきっかけを教えていただけますか?

「実は、最初から“医療業界に行きたい”って思ってたわけじゃないんです。
大学では経済学部で、営業職に興味はあったけど、正直『医療機器メーカー』って聞いてもピンと来てませんでした(笑)。」

──では、なぜ最終的にこの道へ?

「就活中にたまたま病院で、祖父が医療機器に助けられる場面に立ち会ったんです。
そのとき、看護師さんが“この機械がなかったら危なかったかも”って言ってて。
“あ、営業だけど、人の命に関われる仕事ってあるんだ”って。
それが一気にリアルに感じられて、志望を決めました。」

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──そういうきっかけって、深いですね。

「はい。でも入社後に思い知らされました。“これは普通の営業とは違うな”って(笑)。」

──というと?

「扱う商品が命に関わる以上、ミスは許されない。
ドクター相手に“ちょっと確認します”が通じない場面もある。
ただの営業じゃなくて、“医療チームの一員”って意識が必要なんだなと。」

──営業職でありながら、まるで医療従事者のような責任感ですね。

「はい。日々のやりがいも大きいですが、それと同時に“覚悟”も求められる仕事だと思います。」

第2章:現場のリアルと“予想外”の壁

──では、実際に医療機器営業として現場に出てみて、ギャップや戸惑いはありましたか?

「めちゃくちゃありました(笑)。
最初は、“営業だから製品説明して終わり”くらいに思ってたんですけど、現場は想像以上にシビアで…。」

──具体的には、どんな場面でそう感じました?

「一番驚いたのは、オペ室に立ち会うこともあるってことです。
たとえば、心臓手術で使うデバイスだと、製品の正しい使い方やトラブル対応のために、
ドクターのすぐ横でスタンバイしているんですよ。」

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──営業が、手術室に…?

「はい。もちろん直接触るわけではないですけど、ドクターや看護師さんの緊張感はすごいです。
その中で“わからない”とか“確認します”が言えない空気。
事前準備を何重にもして、頭の中で手術を“シミュレーション”して臨む感じですね。」

──それは責任重大ですね…。

「あと、製品知識の深さも求められます。
ドクターから“この仕様だと〇〇なケースでは対応できる?”って聞かれて、
答えられないと信頼を失う。“すぐ返せる答えが、命を左右する”場面もあるんです。」

──知識・対応力・現場対応、全部求められる…。

「そうですね。あと“時間外対応”も当たり前です。
夜間や休日に、装置の不具合で呼ばれることもあります。
“人が寝てる間に、命を守ってる営業もいる”ってこと、もっと知ってもらいたいですね。」

第3章:ドクターとの信頼関係はどう築かれるのか?

──医療現場では、ドクターとの関係構築がとても重要だと思いますが、どうやって信頼を得ていくんですか?

「正直、最初は全然相手にされませんでした(笑)。
病院の先生方って、ものすごく忙しいし、営業には基本“警戒モード”です。」

──それをどう乗り越えたんですか?

「まずは“話を聞いてもらう”ことよりも、“邪魔にならない存在になる”ことを意識しました。
資料を渡してすぐ立ち去るとか、通路の邪魔にならない位置に立つとか、
とにかく“気配を消すプロ”になるところからのスタートでしたね。」

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──営業というより、忍者みたいな…。

「本当に(笑)。
でも、不思議とそうやって“押し売りしない姿勢”を貫くと、
ある日ふと『〇〇の件、ちょっと教えて』って声かけてくれることがあるんです。」

──そういう時って、かなり嬉しいですよね。

「もう、飛び上がりたい気持ちを抑えるのが大変です(笑)。
そこから少しずつ、“この人は頼っても大丈夫だ”と思ってもらえるように、
製品の知識を蓄えたり、納品後のフォローを徹底したり。
信頼って、一気には築けないけど、“日々の小さな積み重ね”で確実に生まれるんです。

──なるほど…。ドクターと“対等”に話すためには、まず“信頼される人間”になることが先なんですね。

「そうですね。あと、“何かあったら、この人が一番早く動いてくれる”っていう“安心感”。
それがあるだけで、現場での信頼度は段違いです。」

第4章:命を支えるという“重み”と“やりがい”

──ここまでのお話で、責任の大きさがよく伝わってきました。
その中で、やりがいを感じる瞬間って、どんなときですか?

「やっぱり、自分が関わった製品で、誰かの命が助かったって聞いたときですね。
それだけで、“この仕事やっててよかった”って心から思えます。」

──たとえば、印象に残っているエピソードはありますか?

「以前、重度の心疾患を抱えた患者さんに新しいデバイスを導入する場面がありました。
そのデバイスはまだ日本で導入例が少なく、ドクターも慎重だったんですが、
自分が何度も説明と実演を繰り返して、最終的に手術で採用されて。
無事に手術が成功して、後日“あのときのサポートがなかったら無理だったかも”とドクターに言われたときは、
正直、泣きそうになりました。」

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──すごい…。まさに“命に関わる営業”ですね。

「はい。だからこそ、“売れたら終わり”じゃなくて、“使われて初めて仕事になる”んです。
それは数字には出にくいけど、この仕事のいちばん大きな意味だと思ってます。」

──その分、プレッシャーも大きいですよね。

「大きいです。でも、“誰かの命に関わっている”って思えば、自然と気も引き締まるし、
いい緊張感で現場にいられるんです。」

まとめ:営業とは“信頼”を届ける仕事

営業というと、「モノを売る」「数字を追う」というイメージが強いかもしれません。
けれど、医療機器メーカーの営業という仕事を知ると、その認識がガラッと変わります。

彼らは、単に製品を紹介する“営業マン”ではありません。
ドクターの隣に立ち、患者の命のために最善の選択を支える“医療チームの一員”でもあるのです。

そこには、“売上”よりも“信頼”を重視する文化があり、
“説明”よりも“理解しようとする姿勢”が求められます。

「あなたが担当でよかった」
「次も、お願いしたい」
そんな言葉をもらえるようになるまで、何度も通い、何度も断られ、
それでも折れずに関係を築き上げていく――

それこそが、医療機器営業のリアルであり、営業という仕事の本質なのだと気づかされました。

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