はじめに:売って終わりの営業は、もう古い
月額制や定額サービスが当たり前になった今、
営業の役割は「売る」だけではありません。
「売ったあと、どう使ってもらうか」
「どれだけ長く使い続けてもらえるか」
この視点が、営業成績にも大きく影響する時代です。
そんな中、注目されているのが「カスタマーサクセス(CS)」という考え方。
これは、顧客の成功を支援することで、LTV(顧客生涯価値)を最大化する手法です。
この記事では、サブスクリプション時代に欠かせない営業戦略として、
CSの基本から実践方法まで、わかりやすくご紹介します。
第1章: なぜ今、営業にCSが求められるのか
📦 “売って終わり”から“売ってからが始まり”へ
昔の営業は「契約がゴール」でした。
新規契約を取ったら、次の見込み客を探す…の繰り返し。
でも、サブスクリプションモデルではそれが通用しません。
なぜなら、契約してもすぐに解約されてしまえば、
売上どころかコスト倒れになるからです。
サブスクの落とし穴:「解約」がすべてを崩す
どれだけ魅力的な商品でも――
- 使い方がわからない
- 導入後に放置される
- 効果が出る前に飽きられる
こんな理由で、あっという間に解約されてしまいます。
つまり、“売った後のフォロー”が売上に直結する時代なのです。
そこで登場するのが「カスタマーサクセス(CS)」
カスタマーサクセスは、単なるサポート部門ではありません。
「顧客が目標を達成するように、積極的に支援する」
これが彼らの役割です。
しかし、実はこの“顧客の成功を支援する”考え方は、
営業にも不可欠な視点になりつつあります。

営業とCSの連携が、企業のLTVを左右する
- 営業が「成果の出る使い方」をセットで提案する
- 営業が「解約されやすいサイン」をCSに共有する
- CSのフィードバックを次の提案に活かす
このように、営業とCSが手を取り合うことで、
LTV(顧客生涯価値)=1人の顧客から得られる売上の合計が最大化されていくのです。
第2章: LTVとは?営業が意識すべき“契約後の価値”
LTVってなに?ざっくり言うと…
LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)とは、
「1人のお客様が生涯を通じて企業にもたらす利益の総額」のこと。
たとえば、月額1万円のサービスを3年使ってもらえたら…
LTV = 1万円 × 12ヶ月 × 3年 = 36万円
これが、「売上36万円」ではなく「顧客1人あたりの価値」です。
新規より“継続”がコスパ最強な理由
実は、新規顧客を獲得するコスト(広告費・営業工数など)は、
既存顧客を維持するコストの5倍以上かかると言われています。
つまり――
- 新規1件をがんばって取るより
- 既存1件を1年長く使ってもらう方が、よっぽど利益につながる
サブスク型ビジネスでは、“契約してもらった後”こそが勝負なのです。
営業こそ、LTV最大化に関わるべき理由
「LTVって、マーケやカスタマーサクセスが見る指標でしょ?」
そう思われがちですが、それは半分正解で、半分間違い。
営業は「最初の接点」であり、「価値の入り口」を作る存在。
このとき、営業がCS視点で話せていれば――
- 顧客が継続してくれる確率が上がる
- 解約リスクが減る
- 満足度が高まり、アップセル・紹介につながる
つまり、営業の提案の仕方がLTVを大きく左右するというわけです。
📌 まとめ:LTVを意識すれば営業の質も上がる
- 「一件取れればOK」では、もったいない
- 営業は“継続前提の設計者”である
- あなたの提案が、企業全体の売上を変える
第3章:カスタマーサクセスの基本と営業との違い
「カスタマーサクセスってサポート部門のこと?」と思っていませんか?
まず、多くの人が混同しがちな「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の違いから整理しておきましょう。
カスタマーサポートの特徴:
- 顧客からの問い合わせに受け身で対応する
- 問題が起きてから対応する「事後対応型」
- 目的は、顧客の不満や課題を解消すること
カスタマーサクセスの特徴:
- 顧客が成功するように、先回りして支援する
- 導入初期から能動的に関与し、利用を促進する
- 目的は、LTVを高め、解約を未然に防ぐこと
つまり、カスタマーサクセスは「攻めの支援部隊」。
ただのヘルプデスクではなく、顧客を成功へ導くパートナー的存在なのです。

営業との“境界線”も変わってきている
従来、営業とカスタマーサクセスはこんな役割分担でした。
営業のイメージ:
- 契約までの提案とクロージングが役割
- 顧客との関係は「売るまで」が中心
- 成約件数が評価指標
カスタマーサクセスのイメージ:
- 契約後の支援と継続利用を担当
- 顧客との関係は「導入後から」が中心
- 継続率やアップセルが評価指標
ですが今は、営業にも“契約後の景色”を想像できる力が求められています。
つまり、「営業とCSの境目がなくなってきている」のです。
営業が“CS的に考える”ための3つの視点
- 「このサービスで顧客は何を達成したいのか?」を最初に考える
→ 単なる商品説明ではなく、“成果イメージ”を一緒に描く - 解約につながりやすいリスク要因を事前に伝える
→ よくあるつまずきポイントをあらかじめ説明しておくことで信頼感UP - 「導入したらどうなるか?」のストーリーを見せる
→ 導入スケジュールや社内展開の流れまで具体的に語れると強い
📌 まとめ:営業とカスタマーサクセスは「チーム」で動く時代
- CSはただの“アフターフォロー”ではなく、LTVを伸ばす仕掛け人
- 営業も“売る人”から“成功を設計する人”へと進化している
- 今後は、営業とCSが一体となって顧客と向き合うことが常識になる
第4章:実践!営業がCS視点で動くための3つの工夫
営業も「導入後の景色」を見せられるかがカギ
営業といえば「契約を取ること」が目的――
だったのは、もはや過去の話。
今や、契約の“先”まで見据えた提案ができる営業こそ、信頼され、選ばれる時代です。
では、営業が「カスタマーサクセス的」に動くためには、何が必要なのでしょうか?

✅ 工夫①:初回提案から「活用シーン」を提示する
- 顧客の業務に沿った“使い方のイメージ”を共有する
- たとえば「この部門なら月に○件の作業を自動化できますよ」など、数字とセットで話す
- 「どこで・誰が・どう使うか」を伝えることで、導入後の不安を先に消す
✅ 工夫②:導入支援の“計画”まで提案に組み込む
- 「契約後はこう進めていきましょう」と導入ロードマップを共有
- ITツールなどの場合は、操作トレーニングやサポート窓口の紹介もあらかじめ行う
- 営業自らが「支援体制を整えてます」と伝えることで、安心感が生まれる
✅ 工夫③:契約後もフォローの「習慣」をつくる
- 成果が出始める1ヶ月目、活用が停滞しがちな3ヶ月目に「定期チェックイン」を提案
- 顧客から「こういう使い方もできませんか?」というフィードバックをもらう
- これにより、CS部門とも連携しやすくなり、アップセル・クロスセルにもつながる
カスタマーサクセスは、営業の“後工程”じゃない
営業とCSがバトンリレーのように顧客を繋ぐのではなく、
最初から「2人3脚」で提案・支援していくスタイルが理想です。
そのためには、営業も“売る人”から“成功を導く人”へ意識を変える必要があります。
まとめ|サブスク時代の営業は“伴走者”であれ
売って終わりから「売ってからが本番」へ
サブスクリプションモデルの時代、営業の役割は劇的に変わりました。
もはや「契約を取るだけ」の営業は、通用しません。
顧客が成功しなければ、すぐに解約される。
解約されれば、会社の利益もゼロになる。
だからこそ、営業は「売って終わり」ではなく、
「導入後も価値を届け続ける仕組み」を提案する存在であるべきです。
これからの営業は、“伴走者”としてのマインドが必要
LTV最大化のために、営業に求められるのはこんな姿勢です:
- 顧客が望むゴールを理解し、そこに導くサポートを考える
- 導入後のつまずきポイントを予測し、先回りして支援設計をする
- CSチームと連携し、顧客との関係を継続的に強化する
あなたの一言が、顧客の“継続”と“成果”を左右するのです。
💡 今日からできる一歩
まずは、次の営業提案のときにこう問いかけてみてください。
「このサービスを導入して、1年後にお客様はどうなっていたいのか?」
この問いを持つだけで、あなたの提案は「契約を取るための話」から、
「顧客を成功に導く提案」へと変わります。

✅ まとめ:営業の本当のゴールは、「ありがとう」を長く聞き続けること
- サブスク営業は、LTV視点で設計する時代
- カスタマーサクセスと手を取り合い、顧客と伴走する姿勢が求められる
- 売ってからが、本当のスタートライン
あなたの営業が、顧客の“成功ストーリーの第一章”になることを願って。
あなたの営業活動を応援します!

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