はじめに:営業に“体験”が求められる時代へ
「営業にVR?」「ARってゲームの話でしょ?」
そんな風に思っていた私が、ある日VR体験を通して“提案の未来”を見ました。商品の使い方が、言葉なしに伝わり、顧客の反応も明らかに違ったんです。
いま、営業の現場で“見る”から“体験する”への進化が始まっています。
VRやARを活用すれば、よりリアルに、より印象的に、顧客の心に残る提案が可能になります。
本記事では、VR/ARがどう営業を変え、エンゲージメントを高めているのかを、実例とともに紹介していきます。
第1章:なぜ今、営業にVR/ARが必要なのか?
営業活動といえば、カタログ片手に訪問し、説明し、提案し――というのが従来のスタイル。でも今、その“常識”が大きく変わりつつあります。
きっかけは、あのコロナ禍。
移動制限や対面自粛が進み、「会えない営業」が一気に広がりました。オンライン商談が当たり前になったことで、営業は“説明力”だけでなく、“伝達の質”が問われる時代に突入したのです。
◆言葉よりも「体験」が強い時代へ
たとえば、あなたが高額な設備を提案するとします。
カタログでは伝わらないサイズ感、操作感、導入後の風景――そういったものを、どう伝えますか?
そこでVR/ARの出番です。
- VRなら、顧客に“導入後の世界”を体験させることができる
- ARなら、実際の空間に“製品のイメージ”を重ねて見せられる
つまり、説明ではなく“体験”で理解させることが可能になるのです。
◆データが示す「体験型営業」の効果

ある大手商社が、展示会でVRプレゼンを導入した結果、リード獲得率が従来比1.8倍に増加したという事例もあります。
別の企業では、ARで商品設置のイメージを見せたことで、「設置後のサイズ感がリアルに分かった」と好評を博し、受注率が15%アップ。
「言われた」よりも「体験した」情報の方が、記憶に残る――これは心理学的にも証明されている効果です。
◆競合と差がつく“新しい提案力”
営業現場は情報戦。価格も機能も横並びの中で、“印象に残るかどうか”が、成約の明暗を分けます。
そこに“没入体験”を提供できるVR/AR営業は、商談のインパクトを一気に引き上げる武器になります。
この章のまとめ:
「説明」から「体験」へ――営業の勝負どころが、確実に変わってきている。
次章では、実際にVR/ARが活用されている営業現場のリアルな事例を紹介していきます。
第2章:VR/AR営業のリアルな活用事例
「実際にどんな営業現場で使われているの?」
そう思われた方のために、ここでは業界別にVR/ARの営業活用事例をご紹介します。
◆建設・不動産業界:VRで“完成後の未来”を見せる
マンションやオフィスの販売で導入が進んでいるのが「VR内覧」。
モデルルームに行かなくても、VRゴーグルを装着すれば、まるでその場にいるような内覧体験が可能に。
- 【メリット】遠方の顧客にもプレゼン可能/購入後のイメージが明確
- 【成果例】VR内覧を導入した不動産会社で、成約率が約25%向上
◆製造・設備業界:ARで“導入後の姿”をその場で提示
展示会や商談時、ARを活用して機械や装置*実際のスペースに“投影”する事例も増えています。
- 「ここにこの機器が入るとこう見えます」
- 「導線やサイズ感はこの通りです」
これにより、顧客の不安を事前に払拭でき、導入決定までのスピードが加速します。

◆教育・コンサル系:VRで“疑似体験型セミナー”を提供
営業研修や製品トレーニングにもVRは効果的。
顧客やスタッフが“体験しながら学べる”コンテンツは、記憶定着率も高く、満足度も上昇。
- 【実例】製薬会社がVRトレーニング導入後、理解度テストの正答率が約30%向上
◆展示会・プレゼン:小間ブースでも“体験型商談”を実現
限られたスペースの中でも、VRを使えばフルスケールの展示やシミュレーションが可能に。
「小規模ブースなのに大手より目立っていた」と言われた中小企業の事例もあり、ブランディングにも効果を発揮。
この章のまとめ:
業界・規模に関係なく、“顧客体験を重視する営業”にこそVR/ARはフィットする。
次章では、VR/ARを実際に導入する際のステップやツール選びのポイントを解説します。
第3章:VR/AR導入のステップとおすすめツール
「VR/ARって興味あるけど、何から始めればいいの?」
ここでは、営業現場での実用性を重視した導入ステップと、実際に使えるツールをご紹介します。
◆ステップ①:目的を明確にする
まず大切なのは、「何のために導入するのか?」を明確にすること。
- 商品説明をよりわかりやすくしたい
- 記憶に残る商談を演出したい
- 顧客との接点を増やしたい
目的がブレると、機能や費用で迷走します。小さく始めて、目的にフィットする技術だけを選ぶのがコツです。
◆ステップ②:どちらを使う?VRとARの違い
営業現場でよく使われる「VR」と「AR」ですが、それぞれ得意な表現方法や使いどころが異なります。以下に違いを整理してみましょう。
- VR(仮想現実)
専用のゴーグルを装着し、360度の仮想空間に没入する体験が可能です。
【向いているケース】
- 実際に現地へ行けない不動産の内覧
- 工場設備や大規模な建築物のプレゼンテーション - AR(拡張現実)
スマートフォンやタブレットの画面を通して、現実の空間に情報や3Dモデルを重ねて表示します。
【向いているケース】
- 展示会などで製品を空間上に配置し、実際のサイズ感や設置イメージを伝える
- 商談中にその場の空間に合わせて商品を提案したいとき
営業の現場では、準備が比較的簡単でコストも抑えられるARから導入を始める企業が多い印象です。スマホやタブレットがあればすぐに体験できるため、最初の一歩として非常に現実的な選択肢です。
◆ステップ③:おすすめツールを選ぶ
🔹【VRツール例】
- STYLY(スタイリー):ノーコードでVR空間を制作可能、営業やプレゼンにも対応
- InstaVR:パワーポイント感覚でVR制作ができ、営業資料化しやすい
🔹【ARツール例】
- Wikitude(ウィキチュード):建設・製造業に強い。設計との連携もスムーズ
- 8thWall:Webブラウザ上で使えるAR。展示会や短期プロモに便利
いずれも、月数千円〜のプランあり&トライアル対応も多いため、初導入には向いています。
◆ステップ④:まずは“小さく試す”から始めよう
いきなり全社展開を目指すのではなく、まずは
- 展示会1回分だけ
- 社内の営業メンバー3人だけ
- 特定の1商品だけ
といったスモールスタートをおすすめします。
トライ&エラーを繰り返す中で、最もフィットする運用方法が見えてきます。

この章のまとめ:
VR/AR導入は、“派手に始める”より“地に足つけて試す”が成功のカギ。
次章では、導入時に気をつけたい課題と解決策について具体的に掘り下げていきます。
第4章:VR/AR営業の課題と乗り越え方
どんなに革新的な技術も、導入には“壁”がつきもの。
VR/AR営業も例外ではありません。
ここでは、実際に導入企業が直面した4つのよくある課題と、私なりの乗り越え方をご紹介します。
◆課題①:機材やツールが高そう・難しそう
多くの人がまず抱えるのが、「機材コスト」と「技術的なハードル」への不安です。
✅ 乗り越え方:
- 低コストのスマホ対応VR(段ボール型)やWebARから始める
- ノーコードツール(STYLYや8thWall)を選ぶことで操作も簡単
- 社内に詳しい人がいなくても、制作代行を使えば初期導入はスムーズ
◆課題②:商談の流れに組み込みづらい
「プレゼンにVRって、流れが止まりそう…」という不安もあります。
✅ 乗り越え方:
- 導入のタイミングを“最初のアイスブレイク”や“最後の印象付け”に限定
- スライドの一部としてQRコードでARリンクを貼るなど、自然な挿入が可能
- 「触ってみたい」「面白いね」と、会話のきっかけにも

◆課題③:顧客のITリテラシーが心配
「うちの顧客は年配が多いから…」と尻込みしてしまうケースも。
✅ 乗り越え方:
- “見るだけ”の体験設計にする(操作を求めない)
- ARの場合、URLクリック→カメラ起動→すぐ表示と最小ステップで体験可能
- 営業が一緒に見せながら話せば、むしろ印象UPにつながることも
◆課題④:社内で理解されにくい
「営業は足で稼ぐもんだろ」「なんだそのオモチャは」――そんな社内の空気に挫けそうになることも。
✅ 乗り越え方:
- 展示会や社内研修で“まず使ってもらう”ことが一番の説得材料
- 小さな成功事例(「これで初アポ取れました!」など)を社内に共有
- データで語る:リード数・反応率・受注率など数字での報告が効果的
この章のまとめ:
課題の正体は「知らないことへの不安」。小さく始めて、確かな体験を積むことが最大の突破口です
まとめ:営業は“語る”から“体験させる”時代へ
VRやARというと、つい「難しそう」「自分には関係ない」と思いがちです。
でも今、営業の現場では着実に「体験型プレゼン」が増えてきています。
- カタログでは伝えきれない価値を、一目で・一瞬で伝える
- 顧客の記憶に残るプレゼンで、信頼と印象を深める
- 商談の現場に、“驚き”と“楽しさ”を生む
これらはすべて、営業パーソンにとって大きな武器になります。
◆小さな一歩が未来の差をつくる
VR/AR導入は、いきなり大掛かりなことをする必要はありません。
- 展示会に1つ持ち込んでみる
- 商談に1回だけ使ってみる
- 同僚にデモして、反応を確かめてみる
そんな小さな一歩が、「うちもやってみよう!」という社内の流れを生み、未来の営業スタイルに一歩近づくことになります。

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